ガンダムシリーズのIP関連売上高が、過去最高の2543億円に達したのをご存じでしょうか。1979年の放送開始から間もなく50周年を迎える『ガンダム』ですが、近年はテレビシリーズや劇場版が毎年のように公開され、ガンプラは海外でも売上を伸ばすなど、むしろ勢いを増している印象すらあります。

その躍進の中心にいるのが、バンダイナムコフィルムワークス会長(兼バンダイナムコミュージックライブ社長)の浅沼誠さんです。今回、『モンスターストライク』で4回にわたるガンダムコラボを実現してきたMIXIの木村弘毅社長とともに、浅沼さんにお話を伺う機会をいただきました。場所は、社内で通称「ホワイトベース」と呼ばれるバンダイナムコフィルムワークスの本社です。

実はお二人、同じ小中学校の先輩後輩という意外な間柄。和やかな雰囲気の中で語られたのは、長く愛されるIPの育て方から、日本のアニメが世界で強い理由、そしてヒットを生む「執念」の話まで、コンテンツビジネスに関わる方、興味のある方なら必読の内容です。

実は同じ小中学校の先輩後輩だった二人

▲MIXI木村弘毅社長(左)、バンダイナムコフィルムワークス浅沼誠会長

――(徳力)今回の対談は、木村社長からのラブコールで実現したそうですね。しかもお二人は初対面ではないと伺いました。

木村:はい。浅沼さんは、杉並区の桃井第三小学校と荻窪中学校の大先輩なんです。同じ小学校・中学校の出身で、しかも実家同士が500メートルほどの距離にあったという。

浅沼:学区としては結構広いんですが、かなり近いんですよね。小中と一緒というのは奇遇でした。

――対談をお願いしたきっかけは何だったのでしょうか。

木村:『モンスターストライク』のコラボでお世話になっていることですね。『ガンダム』とのコラボは計4回、モビルスーツでいうと60体以上がモンストに登場していて、もはや「ガンダムストライク」と呼べるんじゃないかと(笑)。

浅沼:一番最初に木村さんから「こういうことをやりたいんです」と、すごく熱いプレゼンを聞いたのを覚えています。それがやっと形にできたなという感じですね。

木村:こちらこそありがとうございます。うちのクリエイターも、こだわりの演出をたくさん入れさせていただきました。

浅沼:MIXIさんにはガンダム好きの方が多いんでしょうね。「自分の思い入れのある『ガンダム』はこうだ」という思いが強かったんじゃないでしょうか。

――浅沼さんは、どのようなキャリアを歩んでこられたのですか。

浅沼:最初に入ったのが、当時のバンダイグループの映像ビジネスの会社です。その後ゲームに移り、またアニメに戻り、映像をやり……という形で、アニメとゲームを交互にやってきたら、ここに来たという感じです。

会議室で議論するより、完成させてユーザーに見せる

――まずは『ガンダム』について伺います。バンダイナムコホールディングスが発表しているガンダムシリーズのIP関連売上高は、過去最高の2543億円に達しました。

浅沼:「よくそれだけの商品を作りましたよね」というのが率直な感想です。『ガンダム』はやはり作るのが難しいコンテンツなので、どうしても慎重にならざるを得ない。ただ、そうしているとなかなか企画がまとまらないんですよ。

私は新しい作品をたくさん作りたいですし、ずっと会議室で会議をしていてもしょうがない。完成させてユーザーに見せないと何の価値もないと思っているので、「早くたくさん、いいものを作りたい」というのがずっと私の方針でした。かつては滅多に新作が出なかった『ガンダム』を、毎年必ず何かしらの作品がある状態にしようというのは、もしかしたら少しだけ私の意見が入っていたかもしれません。

木村:これまでならライバルと言えるような作品を作っていたスタジオともコラボされていますよね。

浅沼:そのあたりは担当プロデューサーたちのアイデアで、私が止めることはほとんどありません。『ガンダム』ももうすぐ50周年ですが、皆さんが想像する以上のことをやったほうが絶対に面白い。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』のような形で世に出しているのは、そういうことですね。

――『ガンダム』はあまりに偉大な作品で、ファンの期待値も高い。中途半端なものを作ったときの反発も大きいからこそ動きにくくなっていたところを、浅沼さんが「たくさん作る」方向に変えられたわけですね。

浅沼:『ガンダム』に限らず、作ったほうが楽しいじゃないですか。我々は制作して世に出す会社で、それが生業ですから。それをしなかったら意味がないと思っています。

木村:シリーズもそうですし、劇場版もそうですよね。『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の試写にご招待いただいて観に行ったんですが、大変失礼ながら、大先輩にLINEで送った一言が「バカなんですか?」でした(笑)。背景美術を観ているだけで「どれだけお金を使っているんだ」と。

浅沼:ああいう方向性の作品があってもいいなと思いましたし、私は現場に直接ああだこうだ言うことはないんです。ただ、方向性が決まったときに「そんなことするなよ」とは言いたくない。監督がやりたいのなら、その方向でちゃんとまとめてくれ、というところですね。

――『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、主人公を女性にするというチャレンジをされました。それが見事に当たって、ガンダムIP復活の一助になったと思うのですが、当然いろいろな議論があったのではないでしょうか。

浅沼:現場ではあったと思います。学園ものですし、従来の『ガンダム』のような戦争を描いていないじゃないか、と。ただ、『ガンダム』は本当に多様性を受け入れてもらえる作品なんです。そもそも『機動武闘伝Gガンダム』という、あれ以上の『ガンダム』はないと私が思っている作品のことを考えたら、『水星の魔女』はまだまだベーシックなんじゃないかと思ったりします。

――ある意味ライバルとも言える「エヴァンゲリオン」シリーズを手掛けるスタジオカラーさんに『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』を制作してもらうというのも、外から見ると驚きでした。これも多様性の一環なのでしょうか。

浅沼:『ガンダム』をこれだけ作っていると、普通に作ってもそれほど話題を呼べない、面白いものができないかもしれないというリスクがあります。だからこそ「想像を超えた何か」が必要なんです。庵野秀明監督とは昔からお互いに知った仲ですが、庵野さんの会社が『ガンダム』を作ると聞けば、皆さん「え?」と思う。その「え?」が楽しいんですよね。

――正直なところ、ライバル意識のようなものはお互いになかったのですか。

浅沼:あまりなかったかもしれません。『ガンダム』にはある意味で「教典」のようなものがあって、その教典に倣ってみんなが同じ意志で作っている、というのが大きいのかもしれないですね。

木村:『GQuuuuuuX』の映画にはびっくりしましたけどね。

浅沼:私もびっくりしました(笑)。

日本のアニメが世界で強い本当の理由

――『ガンダム』といえばガンプラです。私自身、アニメより先にガンプラに触れた世代ですが、いま海外での売上がすごいそうですね。

浅沼:売れてきましたね。もちろんバンダイのトイホビー部門の力が大きいのですが、そもそもプラモデルは、日本以外では非常にニッチなホビーなんです。アメリカにもヨーロッパにもプラモデルメーカーはありますが、戦車や戦闘機のような渋いものばかりでした。エンターテインメント作品のキャラクターのプラモデルが海外で売れ始めたのは、ここ数年の非常に喜ばしい変化ですね。

木村:ひと昔前は「欧米のロボットはつるんとしたデザインで、日本のような兜を模した装飾の多いロボットは海外では受けない」と言われていましたよね。それも変わってきているんでしょうか。

浅沼:変わってきたかもしれませんね。そもそも「人が乗り込む巨大ロボット」という概念が海外にはないんです。近いのはトランスフォーマーくらいですが、あれはロボット自体が生きていて喋る、少し違う存在です。人が乗り込むロボットは日本特有の文化で、その日本特有の文化だからこそ、みんなが面白がってくれているんじゃないかと感じます。

これから日本が本当にグローバルに発信できるのは、漫画・ゲーム・アニメの三本柱で間違いないと思います。日本のアニメがこれだけ受けている理由は、商業アニメを大量に作ってきたのが、もともと日本とハリウッドのディズニーさんくらいしかなかったからだと私は思っているんです。特に日本にはかなりしんどい作品からほんわかした作品まで、いろいろなものがある。これは日本にしかできないし、日本でしか作っていない。だから強いんです。

日本だけで四半期に70本ほどの作品が出るわけです。普通はありえないことですよね。漫画もものすごい量が出るし、ゲームも出る。こんな国は他にないと思います。だからこそ、その頂点に立てるものは非常に優秀で、世界にも出ていける。

――日本は「原作大国」だとも言われます。

浅沼:原作を作れる人の頭数が圧倒的に違うんです。それは、子どもの頃からテレビでアニメを観て、ゲームをやるという体験の密度が、他の国の人と絶対に違うからじゃないかと思うんですよ。

すごいものができてしまえば、誰も文句を言えない

――浅沼さんが一番思い入れのあるガンダム作品は何でしょうか。

浅沼:自分が映像部門に来てからの作品でいうと、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(第1章)ですね。ちょうど制作時期がコロナ禍と重なっていて、もともとは予算的にも小さな企画だったんです。

担当プロデューサーに「最近どう?」と聞くと「頑張ってます」と。「コロナもあって大変だよね」「そうですね、ちょっと予算が膨らむかもしれません」「このくらい?」「いや」「え、このくらい?」「いや」「このくらい?」「それでできたらいいですね」と(笑)。「お前、すごいことを言うね」と返しましたが、作りながら「この作品は絶対にここまで持っていかなければいけない」という強い思いがあったんだと、私は思いたい。最終的には結果オーライで、いいものができましたから。

木村:そういう話、ファンは喜ぶかもしれませんが、株主から突っ込まれたりしないんですか?

浅沼:株主からはないですが、当然、私の上の社長からは「どういう説明をするんだ」「どうなってるんだ」と。

木村:そういうときは、どうやって切り抜けるんですか?

浅沼:現場は結局、いいものを作ってくれるじゃないですか。我々はフィルムの会社で、作品は残るものですから、中途半端なものではなく、ちゃんと作ってほしいんですよ。それだけかけてつまらないものが出来たらボコボコにしますけど(笑)、いざ完成すると「素晴らしいものができたな」となる。実際、コロナ禍の最後に公開して、それでも本当に多くのお客様に足を運んでいただいたので、「ありがとうございます」と言わざるを得なくなりますよね。

木村:世界遺産クラスのすごいものができたら、誰も文句を言えない。

浅沼:そうなんですよ。きっとそういうことも計算して現場を回しているんじゃないかと、思いたいですけどね。

『アイドルマスター』も『ラブライブ!』も「担当者の執念」が生んだ

――『ガンダム』とはまったく違う作品として、『アイドルマスター』シリーズやラブライブ!シリーズといったアイドル作品も数多く手がけられています。

浅沼:両方とも、私が何かをしたということはほとんどないんです。「いいんじゃないの」と言ったくらいで。

特に『アイドルマスター』は、私がゲームの部署にいた頃、旧ナムコのゲームセンター向けのゲームから始まりました。当時はまったく売れなかったそうです。筐体のコインを回収しに行く営業マンが「開けても何も入っていないよ」と言われた、という話を随分聞きました。それでも徐々にベースの人気ができて、コンシューマーゲームで育っていき、火がついたのはその後のアプリ(ソーシャル)ゲームです。そこで一気に来た感じがしますね。

――新しいIPを生み出すとき、火がつくかどうかは事前にはわからないわけですよね。どこで「これはいけそうだ」と判断するのでしょうか。

浅沼:簡単に言うと「担当の執念」ですね。今も何本か走っている中で、会社としては「やめたほうがいいんじゃない」と言っているのに、ずっとやり続けている人がいます。魂を込めた作品はちゃんと残っていくので、そこが強いんじゃないかと。「やめろ」と言ってもやめない、ということもありますし(笑)。

木村:それはわかります。うちも『MONSONI!(モンソニ!)』といって、モンストのキャラクターたちがアイドルユニットやバンドを組んで楽曲を出す取り組みをやっているんですが、最初は100人規模のイベントスペースでじわじわやっていたんです。それを何年もやり続けて、いまではモンストのリアルイベント『DREAMDAZE』のメインコンテンツになって、みんながサイリウムを振って応援してくれるようになりました。やっぱり執念ってありますよね。

浅沼:執念はありますね。『ラブライブ!』も、最初は本当にミニマムなコンテンツをずっと続けてブレイクしたんです。当時既に女性アイドルユニットものの1つとして『アイドルマスター』があったので、その次を狙うといったとき、「もういいんじゃないか」という話も当然あったと思うんですよ。それでもやり続けると当たる。執念と言いましたが、言い方は悪いですけど「偏執的なこだわり」ですよね。ものを作る人にはそれがないとなかなかうまくいかないし、それを許容する会社の器を作っておかないといけない。「これは売れないからダメ」とやっていくと、木村さんの会社もそうだと思いますが、いいものは生まれにくくなるのかなという気がしますね。

――外から見ると似たジャンルにも見える『アイドルマスター』と『ラブライブ!』が、それぞれ別の角度でファンに刺さったのはなぜだと思われますか。

浅沼:難しいところですが、『ラブライブ!』の担当プロデューサーに聞いたことがあるのは、「違うものの組み合わせはすごく面白い」ということです。『ラブライブ!』でいえば「学校」と「アイドル」。近いようで違うわけじゃないですか。当たり前の組み合わせではブレイクしないけれど、まったく違う組み合わせがすごくいい、と。これは一つのキーワードじゃないかなと思いますね。

木村:その担当プロデューサーの方は、もともと美少女アイドルものがお好きだったんですか?

浅沼:それが違うんです。その前はロボットアニメを作っていましたから。アイドルが大好きだからやった、ということではなく、狙って作ったんだと思います。

――ロボットアニメをやっていた人が急に「アイドルものをやりたい」と言い出したら、逆に不安になりそうですが。

浅沼:当時はいろいろあったと思います(笑)。ただ結果的に、一昨年くらいでしょうか、『アイドルマスター』シリーズとラブライブ!シリーズの代表キャストが出演した公演を東京ドームでやったんですが、やっぱり東京ドームが揺れるんですよね。アニメーションコンテンツ、ゲームコンテンツのパワーを実感しました。

――SNSで大きな話題になったAiScReam(アイスクリーム)の『愛♡スクリ〜ム!』も、ラブライブ!シリーズから生まれたものですよね。

浅沼:そうですね。ラブライブ!シリーズの3人のユニットから始まったものです。ただ、我々は普段からいろいろなことを仕掛けているじゃないですか。ショート動画もTikTokもどんどん作って流している。なぜあれが当たったのかは、後付けの分析はできても、本当のところはわからないんですよ。いくつも仕掛けた中で当たった一つがあれだった、ということですね。バズりましたよね。びっくりしました。

木村:ファンに感謝ですね。

浅沼:大感謝です。

長く愛されるIPの条件は「面白ければいい」という度量

――『ガンダム』は2029年に50周年が迫っています。長く愛されるIPには、どんな特徴やポイントがあると思われますか。

浅沼:結果じゃないですか?(笑) ただ、やり続けることは大事ですよね。それから、例えば『ガンダム』でいえば、最初の『機動戦士ガンダム』、『機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士ΖΖガンダム』は、同じメインの方々がずっと作っていました。本来なら、そのままずっといったと思うんです。ところが途中からいろいろなクリエイターが入ってきて、最近の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』もそうですが、これまでとはまったく違った角度で『ガンダム』を作る。それを良しとする体質は結構重要だと思います。

「絶対にこうじゃなきゃダメだ」という原理主義でいくと、コンテンツはだんだん先細りになっていく可能性があります。格闘の『機動武闘伝Gガンダム』が急にできて、”ファーストガンダム”(『機動戦士ガンダム』)のファンが「どうするの」と思うようなものを作ったことも含めて、「それでもいいんじゃない、面白ければ」というノリなのかな、という感じがしますね。

木村:僕が一番大好きな『ガンダム』は『∀ガンダム(ターンエーガンダム)』なんですよ。工業デザイナーのシド・ミードが髭のついたロボットをデザインするという。あの牧歌的な世界観も含めて好きです。

浅沼:富野由悠季監督が久しぶりに帰ってきた作品で、最初はみんなわけがわからなくてシーンとしたんです。でもすごいのは、だんだん評価が高くなっていったこと。ありがたいことに「ターンエーが最高」という人はものすごく多いんです。富野さんはすごいなと思いますね。

電話一本で、いいものは絶対にできない

――ここからは、浅沼さんご自身のプロデューサーとしての視点についても伺います。キャリアの初期には『機動警察パトレイバー』に関わられていたそうですね。

浅沼:やっていましたね。社会人になったばかりで、この仕事が何たるかをまったくわかっていなかった頃です。上司に、とても優秀で、ある意味破天荒なプロデューサーがいました。パトレイバーではないのですが、とある作品を担当しているときに「最近どうなってる?」「全然進みません」「なんでだ」「監督がスタジオに入ってくれないんです。別の作品もやっていて忙しいらしくて」「それはダメだ。どうすればいいか教えてやろう」と。

車で監督の自宅アパートまで連れて行かれて、「ここでお前が張っているんだ。帰ってきたら、そのままタクシーに押し込んで、いま作っているスタジオに連れて行け」と言われて、本当に張り込みました(笑)。やっぱり現場に行かないとダメなんですよ。電話一本でできたものが、いいものになるはずがない。それはいまでも思っています。

――いま、アニメーターの労働環境が議論になっています。アニメ産業がこれだけ世界で市場を拡大しているのに、なかなか現場に還元されていないのではないか、と。浅沼さんは、そこを変えようとされているのですよね。

浅沼:そうですね。政府のセッションにも参加していますし、我々自身も努力しているつもりですが、まだ足りないかもしれません。賃金体系をはじめ、いろいろな制度をより良くしなければいけないと強く思っています。

そうしないと、継続できないんですよね。「面白かったけれど、若いうちはできたけれど、年を取ったらこんなことはできない」と言われたらすごく悲しいですし、「この業界ではもうやっていられないから離脱します」となってしまうと悲しい。継続的に、将来にわたってちゃんと仕事ができる環境をつくりたいという気持ちは強いですね。

木村:難しいですよね。でも、ハードシングスを乗り越える中で生まれてくるクリエイティブのエネルギーもあると思うんです。ぽやーっとした環境から生まれてくるのか、というのもありますし。

浅沼:間違いないですよね。でも、最後は絶対にキュッと締まるので、いいんじゃないかなと思いますけどね。

*

個人的に印象に残ったのは、「会議室で議論していてもしょうがない。完成させてユーザーに見せないと価値がない」という浅沼さんの言葉と、ヒットの源泉を「担当者の執念」、それも「偏執的なこだわり」と表現し、それを許容する「会社の器」の重要性を語られていた点です。

『ガンダム』のような偉大なIPほど、失敗を恐れて動けなくなりがちです。それでもバンダイナムコフィルムワークスが50周年を前になお過去最高を更新し続けているのは、「面白ければいいじゃない」と挑戦を受け止める文化があるからなのでしょう。IPビジネスやコンテンツづくりに関わる方はもちろん、新しい事業に取り組むすべての方にとって、ヒントの多い対談ではないでしょうか。