「ポケットモンスター」シリーズの開発元として知られるゲームフリークが9月14日、完全新作のモバイルゲーム『雨のちハレ女(あめのちはれおんな)』を発表した。iOS/Android向けで、基本プレイ無料(アプリ内課金あり)。配信地域は日本、リリース時期は未定である。

現実の天気予報がゲームを動かす

本作最大の特徴は、「現実世界の天気がゲーム内のあらゆる場面に影響」する点だ。日本全国の天気予報と連動するため、プレイヤーが暮らす土地の空模様がそのまま遊びの条件になる。公式の商品情報に記されたジャンルは「洗濯ゲーム」、テーマは「明日の天気が魔法になる」とされている。

舞台は現代日本。天気を力に変えて人々の気持ちを晴らす魔法少女「ハレ女」の晴渡ひまわり(CV:河野ひより、キャラクターデザイン:南野あき)と、彼女に力を与える神の使い「クモリン」の洗井ぽん(CV:長野佑紀、同:阿部杏子)が主人公となる。今回公開されたのはキービジュアルとティザーPV、キャラクター情報までで、ゲーム内容の詳細は今後明かされる。

天気予報を毎日確認するという行為は、スマートフォンでもっとも定着した習慣のひとつだ。その動機の代表例が洗濯であり、本作はそこにゲームを重ねる構造をとる。ディレクター/プロデューサーの大森滋氏は、「毎日洗濯のために天気予報を見るのなら、いっそ天気予報を使ったゲームを作ろうという発想から生まれた」とコメントしている。

約11年ぶりのモバイル再挑戦

大森氏は『ポケットモンスター』シリーズのディレクターを務め、2026年3月5日発売の『ぽこ あ ポケモン』ではコンセプト&シニアディレクターを担当した人物だ。同作は2026年8月、全世界販売本数500万本の突破が発表されている。

開発パートナーは2023年設立のクロノゲート。代表取締役社長の杉中克考氏は、ゲームフリークで約10年にわたり企画・演出業務に携わり、『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』から『ソード・シールド』までのイベント・ストーリー関連を担当したと語っている。

ゲームフリークは2013年7月、同社初のセルフパブリッシングとなる3DS用『ソリティ馬』を配信。2026年8月にはFictionsから発売されたアクションRPG『Beast of Reincarnation』を開発するなど、ポケモン以外のタイトルを継続的に手がけてきた。スマートフォン分野でも、2014年11月から課金アイテムを備えた『ソリティ馬』のアプリ版を約1年1カ月運営した実績がある。基本プレイ無料のモバイルタイトルは、同社にとって約11年ぶりの再挑戦というわけだ。

天気を遊びに取り込む発想の先例

現実の天気をゲームに反映する試み自体には先例がある。『Pokémon GO』は2017年12月に天気との連動機能を導入し、雨天時にみずタイプが出現しやすくなるなど、外の空模様が遊びの中身を変える設計を採用した。

ただし同作は位置情報ゲームであり、外出が前提となる。対して『雨のちハレ女』は洗濯という生活行動を軸に据えており、屋内の日常のなかで天気予報を確認する習慣そのものを遊びに変えようとしている点が異なる。

天気という変数は、住む地域や季節によってプレイヤーごとに異なる体験を生む一方、天候が偏る地域で不利が生じないかといった設計上の難しさも伴う。生活に密着した題材をどう遊びへ落とし込むのか、今後の続報を待ちたい。