かねて若い世代にとってクールな存在であったインディー映画スタジオ「A24」だが、6月22日に発表されたGoogle DeepMind(AI研究機関)との提携により、そのイメージが揺らいでいる。ビッグテックに関連するものは何でも悪評を浴びる時代に入りつつあり、愛されているブランドでさえも批判の的となっている。米エンターテインメント誌「ザ・ハリウッド・リポーター(THR)」が6月25日報じた。
提携発表の翌日、A24がコミュニティ・シアターを題材にした(AIとは全く無関係の)映画の予告編を公開すると、X(旧Twitter)で批判の嵐が巻き起こった。「人間の創造力の力を支持も信じもしない会社に、なぜ金を払って支援しなければならないんだ?」「A24は、愚か者どもが金儲けのためにAIの巨大企業に魂を売ってしまうまでは、すごくクールだったのに」といったものだ。
A24は2012年の設立以降、アリ・アスターやグレタ・ガーウィグ、バリー・ジェンキンスといった監督たちをいち早く見い出し、従来のハリウッド映画とは一線を画す、低予算ながら芸術性の高い作品を輩出。映画賞などでも存在感を示してきた。だが、いまや体制側とみなされているビッグテックとの提携、およびAIへの肯定的な姿勢に対する厳しい視線により、ブランド力が損なわれる事態に陥っている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』などで若者の熱狂的支持を集めてきたA24が、Google傘下のAI研究機関との提携で、ファンの反発にさらされている。
A24は「作家主義」「反体制」「インディペンデントの旗手」というイメージを武器に支持を築いてきた。だからこそ、効率主義やビッグテックの象徴であるAIの影が差すと、ファンは「裏切られた」と過剰に反応する。
実際、提携翌日にはAIと無関係の予告編にまで批判が殺到した。A24が2024年、AIで生成したとされるポスターで炎上した記憶も、この反発を後押ししているだろう。背景にあるのは、巨大テックに関わるものは何であれ疑われる、という空気の変化だ。
かつて革新の象徴だった企業が、いまや「体制側」とみなされ始めている。愛されるブランドほど、その一挙手一投足に敏感な視線が注がれる時代に入ったことが見えてくる。」














