画像生成AI「Flux」を手がけるドイツのAI新興企業ブラックフォレスト・ラボは6月2日、アカデミー賞などの受賞歴を持つマーティン・スコセッシ監督をアドバイザーに迎えたと明らかにした。

なお、スコセッシ監督はFluxをストーリーボード作成にのみ使用している。その範囲は限定的であるものの、業界関係者からは賛否両論が上がっている。

スコセッシ氏は「70年間、私は自分でストーリーボードを作成してきた」とした上で、同AI技術が撮影監督やプロダクションデザイナーに自身のビジョンを、はるかに早く効率的に伝えるのに役立つと述べている。

ブラックフォレストは2024年、英スタビリティーAIの画像生成AI「Stable Diffusion」の開発に携わった研究者らにより創業。従業員は約70人で、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アドビ、Canvaの画像機能を支えている。企業評価額は32億5,000万ドル(約5,196億円)。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、ブラックフォレストは昨年、スコセッシ監督とパートナー兼アドバイザーの契約を結んだ。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「『タクシードライバー』『ディパーテッド』の巨匠スコセッシ監督がAIのアドバイザーに。注目すべきは、画像生成AI「Flux」を「ストーリーボード作成のみ」に限定使用しているという、慎重な向き合い方だ。マーティン・スコセッシ氏は、Fluxを手がけるドイツのAI新興企業ブラックフォレスト・ラボのアドバイザーに就任。同社が6月2日に発表した。「70年間、私は自分でストーリーボードを作成してきた」と語る一方、AIが撮影監督やプロダクションデザイナーに自身のビジョンをより早く効率的に伝えるのに役立つと、用途を限定した上で評価している。映像クリエイティブの領域では、AIに対する賛否両論が続いているが、巨匠による「使い分け」のかたちは、業界全体の参考になりそうだ。」