ベン・アフレックは3月、自身が3年前に立ち上げたAIスタートアップ「インターポジティブ(InterPositive)」を約6億ドル(約957億円)でNetflixに売却すると発表。アフレックはインターポジティブの技術について、映画制作の「しばしば障害となる、物流面や技術面での面倒な手続きや課題を全て取り除く」手段だと説明。「より人間らしい仕事」を生み出すことになると主張している。

同社の特許技術「映画制作のための映像言語モデルとAIの統合」は、制作現場で撮影された「デイリー」と呼ばれる未編集の映像データを用いて学習させる、映画制作の補助ツール。背景の差し替えや照明の調整など、ポストプロダクションを支援する。

ハリウッド業界誌「Deadline」が特許出願書類を分析したところ、同技術により、ビロウ・ザ・ライン(脚本家・監督・プロデューサー・出演者を除いた制作費。グリップ、照明、美術、セット装飾、エキストラ、ロケ地、VFX映像視覚スタジオなど含む)は少なくとも10〜20%削減されるという。

Netflixは年間約180億ドルのコンテンツ制作費を見込んでおり、これが値上げの一因となっているが、制作費を20%削減すれば、年間35億ドル以上の節約となる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Netflixの年間コンテンツ制作費は約180億ドル(約2兆8,386億円)。20%削減すれば、年間35億ドル(約5,520億円)超の節約となる。同社が3月、ベン・アフレック氏のAIスタートアップ「インターポジティブ(InterPositive)」を約6億ドル(約957億円)で買収した狙いは、まさにここにある。特許技術「映画制作のための映像言語モデルとAIの統合」は、制作現場の「デイリー」(未編集の撮影データ)を学習し、背景差し替えや照明調整などポストプロダクションを自動化する。米Deadline誌が特許出願書類を分析したところ、「ビロウ・ザ・ライン」(脚本家・監督・プロデューサー・出演者を除く制作費。グリップ、照明、美術、エキストラ、VFX視覚スタジオなど含む)が少なくとも10〜20%削減できると判明。買収費用は1年強で回収できる計算になる。」