カンヌ国際映画祭に併せて開催される、世界最大級の映画見本市「マルシェ・デュ・フィルム」で5月15日、制作中の日本映画5作品が上映された。世界中の映画祭やマーケットから集められた制作途中の作品を紹介するショーケースシリーズ「Goes to Cannes」の一環。
選出されたのは、是枝裕和監督『ルックバック』、瀬々敬久監督『存在のすべてを』、金井絋監督『殺人の門』、鈴木慧監督『君と花火と約束と』、小林聖太郎監督『平行と垂直』の5作品。サスペンス、アニメ、ミステリー、家族ドラマなど多彩なジャンルが揃うラインナップの中で、特に注目を集めたのは、藤本タツキの漫画を実写映画化した、是枝裕和監督の『ルック・バック』だ。
欧州の映画・映像業界ポータルサイト「シネヨーロッパ(Cineurope)」は同作について「是枝監督の名物とも言える、感情の機微を繊細に描き出す青春物語への回帰を象徴する作品であり、芸術への情熱、若者の野心、そして長きにわたる友情という世界観を通して描かれている」と評価した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「2026年のカンヌ国際映画祭は、日本映画にとって特別な年だ。マルシェ・デュ・フィルムが日本を「2026年カントリー・オブ・オナー」に選定し、ブラジル・スイス・スペイン・インドに続く5カ国目、東アジアからは初めての栄誉となった。
さらにコンペティション部門には、是枝裕和『箱の中の羊』(綾瀬はるか・千鳥の大悟出演のAI家族ドラマ)、濱口竜介『急に具合が悪くなる』(同監督の仏語デビュー作、5月15日の公式上映で7分間のスタンディングオベーション)、深田晃司『ナギダイアリー』(平田オリザ『東京ノート』の翻案)の3作品が同時選出。
日本のアートハウス映画を代表する3監督が同時にパルム・ドールを競うのは、前代未聞だ。マルシェの「Goes to Cannes」にも、是枝監督自ら脚本・監督・編集を兼ねた『ルックバック』など日本5作品が並んだ。同作は『チェンソーマン』の藤本タツキ氏の原作を世界で初めて実写化した作品にあたる。
アニメブームを土台に、漫画原作を世界トップ級の実写監督が調理し、カンヌへ還流する──日本のソフトパワーが「アニメ→漫画→実写」を縦断する形で世界に受容されていく構図が、今年のカンヌに揃った。」














