ライブ配信サポートツールの大手「StreamElements」が閉鎖の危機に瀕している。この知らせに「代替手段を見つけることは困難だ」と嘆くストリーマーが続出。同社は5月15日、「買収を検討している企業と前向きな協議を進めている」と明らかにしている。
2016年に設立されたStreamElementsは、チャットボットやオーバーレイなどライブ配信に便利な無料ツールを提供。ライブストリーミング業界で広く普及しており、過去10年間で2,300万人以上のクリエイターが利用している。
同社は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が主導した2021年の1億ドルの資金調達ラウンドを含め、これまで1億1,100万ドル以上を調達したが、一度も黒字化に至っていない。同社のブランドパートナーシップ・マーケットプレイスは、投資を正当化するほどには拡大せず、近年Twitchからより多様なゲーム広告枠へと広告費が流れていく中、苦境に立たされている。
ここ数年は人員削減も行い、今年1月にはクラウドファンディングキャンペーンも実施。オー・ペリー共同創業者は、クリエイターにサービスを無料で提供し続けるという同プラットフォームの継続的な使命を強調した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「StreamElements(ストリームエレメンツ)は、ライブ配信中のチャット自動応答や画面オーバーレイ、視聴者からの投げ銭表示など、配信者が必要とする裏方の機能を「無料」で提供してきた2016年設立の会社だ。プロ並みに見える配信画面を誰でも簡単に作れることから、過去10年で2,300万人のクリエイターに使われ、ライブ配信の事実上のインフラとなっていた。ソフトバンク・ビジョン・ファンドが2021年に1億ドル(約158億円)を投じたのも、この巨大な利用者基盤を起点に「クリエイターとブランドをつなぐ広告マーケットプレイス」へと拡張していく未来を見込んだ判断だった。しかし、その肝心の広告マーケットプレイスが当初想定した規模に育たなかった。近年Twitchから多様なゲーム広告枠へと広告費が分散していく流れも逆風となり、人気は健在ながら、収益の道筋を描き直す段階に追い込まれている。クリエイター経済の「裏方」を支える事業の難しさが、ここに表れている。」














