メディア環境の断片化が進む中、YouTubeはテレビ画面とモバイルデバイスの両方にわたる現代のオーディエンスプランニングの基盤となっているーー。広告サービスを手がける英Precisify(旧Precise TV)の最新調査から、こうした実態が明らかとなった。
同社は、Z世代(13〜17歳)とミレニアル世代(25〜45歳)の米国人計1,000人を対象にメディア消費習慣を調査。世代ごとに利用するプラットフォームに違いがある中、YouTubeが「両世代のユーザーが常に重なり合う」唯一の場所であることが分かった。
YouTubeを利用する割合はZ世代で83%、ミレニアル世代で78%と、ユーザー数の多さにおいて他のあらゆるプラットフォームを上回っている。両世代の約45%は毎日少なくとも30〜60分間、YouTubeのコンテンツを視聴している。
特筆すべきは、YouTubeの広告想起率が両世代で50%以上と最も高いことだ。2位はZ世代がTikTok(38%)、ミレニアル世代がFacebook(36%)だった。
Z世代は、最も質の高い広告がYouTubeのロングフォームで見られると回答(36%)。次いでNetflix(20%)、TikTok(18%)、FacebookとInstagram(各16%)、Amazon Prime(13%)。YouTubeショートはわずか11%で最下位だった。
Precisifyは「このデータが明らかにしているのは、クリエイターの影響力が、多くのマーケターが想定しているほど断片化されていないということだ」と分析している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「調査で特に注目したいのは、Z世代が「最も質の高い広告が見られる場所」としてYouTubeロングフォームを36%で1位に挙げ、YouTubeショートは11%で最下位だった点だ。同じプラットフォーム内でフォーマット別に評価が割れた構図は、ショート全盛と語られる時代の通説を見直す材料になる。Netflix20%、TikTok18%、Amazon Prime13%という順位からも、Z世代が「広告品質」を判断軸として持ち始めた様子がうかがえる。
ここでいう質とは「短く面白い」ではなく、関連性の高い文脈に広告が置かれているかどうかだ。ショート広告は「割り込み」と受け取られやすい一方、ロングフォームでは制作費の投じられた本編と地続きの体験として広告が機能し、ブランドセーフティの土台が信頼感に直結する。
日本でも同じ現象が顕著だ。佐久間宣行氏のNOBROCK TV(出演者の人間性を引き出す長尺企画)、ReHacQ・PIVOT(1時間超のビジネス討論)が伸び続けているのは、タイパ(タイムパフォーマンス)の物差しが「短さ」から「投じた時間に対する情報密度と満足度」へ更新されつつある表れだろう。「ショートは広く・ロングは深く」というフォーマット使い分けの理屈が、日米の若年層から同時に裏付けられた格好だ。」














