ソニー・ピクチャーズ テレビジョン(SPT)は8月31日、PlayStation 5(PS5)本体からアクセス可能な、広告付き無料動画配信サービス「Live TV on PS5」を開始すると発表した。当初の対象国は米国で、近くカナダでも提供開始となる見通し。

PS5本体の「メディア」セクションから、100以上のライブチャンネルや、ニュース、スポーツ、映画、テレビ番組、アニメなどのオンデマンドコンテンツを楽しめるようになった。当初のコンテンツには、Amazon MGM Studios、Crunchyroll、FOX、NBCユニバーサル、NFLチャンネル、UFCなどのコンテンツが含まれ、今後さらにラインナップを拡大する方針だ。

年内には、ソニーのTVディスプレイ「ブラビア」でも同サービスを提供開始する予定。

動画ストリーミングの普及が進んだ現在、広告主はNetflix、Peacock、HBO Maxなどが目指すような大規模な加入者基盤よりも、特定のニッチな視聴者層とつながる方法を模索するようになってきている。こうした中、ソニーはPlayStationのユーザーと広告主をつなぐ方法を新たに提示した格好だ。

(文:坂本 泉)
榎本編集長「この発表の背景には、テレビ広告の売り方の変化がある。記事も指摘する通り、広告主はいま、巨大な加入者数そのものより、「誰に届くか」が明確な視聴者層との接点を求め始めている。その文脈で、PS5の無料テレビは面白い商品だ。PlayStationの利用者は、年齢層や興味関心の輪郭がくっきりした、広告主にとって「顔の見える」観客である。ゲーム、アニメ、スポーツと相性のよい商材は多く、Crunchyrollや UFC、NFLという初期ラインナップは、その輪郭に沿って選ばれたように映る。不特定多数へ届ける従来のテレビCMと、検索連動のネット広告の中間——「趣味の共同体へ届くテレビ広告」という新しい棚である。ソニーはゲーム機の中に、視聴者の顔が見える広告枠を作った。配信広告の競争が「規模」から「精度」へ移るなら、専用機を持つ者の強みは増す。広告事業の次の主戦場を示す一手と言えそうだ。」