TikTok Shopの流通取引総額(GMV)は、5年前には10億ドル未満だったが、2026年には1,235億ドル(約19兆6,500億円)に達することが見込まれるーー。アジア・デジタル市場調査会社モメンタム・ワークスとTikTok Shopデータ分析ツール「Tabcut」の調査から、こうした実態が明らかとなった。

2026年上半期(1〜6月)のGMVは前年比92%増の503億ドル。半分以上は「Shop」タブを通じて発生し、約40%は動画、残りの8%はライブ配信に起因するものだった。昨年はブラックフライデーの週末だけで米国で5億ドルの売り上げを記録しており、通年では1,000億ドルをゆうに超える見通しだ。

地域別に見ると、上半期のGMVは最大市場の米国で118億ドル。前年同期の58億ドルからほぼ倍増している。これにインドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピンが続く。

昨年のGMVは643億ドルと、eBayに匹敵するほどに拡大。アマゾン・ドット・コム(世界全体で四半期当たり約2,000億ドル)やウォルマート(米国EC年間売上高1,500億ドル)には及ばないものの、成長スピードには目を見張るものがある。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「TikTokの買い物機能「TikTok Shop」の流通総額が、今年1,235億ドル(約19兆6,500億円)に達する見込みだという。5年前は10億ドル未満。実に100倍超の急成長である。この数字が示すのは、「動画を観る場所」が「買う場所」に変わったという、消費の地殻変動だ。従来のECは、欲しい物を検索して買う「目的の買い物」だった。TikTok Shopは逆で、流れてきた動画で商品と出会い、その場で買う「発見の買い物」である。調査では、いまや半分以上が常設のShopタブ経由、約4割が動画経由と、衝動と定着の両輪も回り始めた。日本でも昨年サービスが始まり、コスメや食品を中心に、動画からそのまま買う光景が広がりつつある。楽天やAmazonで「探す」買い物に慣れた日本の消費者が、「出会う」買い物にどこまで移るか。世界19兆円の奔流は、もう対岸の話ではない。」