大手レコード会社と著作権訴訟で争っている音楽生成AI「Suno」は8月13日、ブラウザベースのデジタルオーディオワークステーション(DAW)「Suno Studio」のアップデート版「Studio 2.0」をリリースした。
Suno Studioは、プロ向けの音楽制作を想定して開発されており、プレミア会員のみが利用可能。同社によると、過去にグラミー賞受賞アーティストがSuno Studioを使用して、チャート1位を獲得したヒット曲を作り出したという。
今回のアップデートでは、MIDI対応、ベータ版のAIチャットバー、「高度な」ステム分離機能に加え、新しいオーディオエフェクトやオートメーションなどが追加された。独自の機能として、MIDIクリップを新しいオーディオ生成のプロンプトとして使用することも可能。チャット機能では、楽器やボーカルの生成、カスタムプラグインの作成支援、セッションの整理も行える。
Sunoは先に、プレミア会員を含む全会員を対象に、毎月ダウンロードできる楽曲数に上限を設けることを発表したが、「Studio」はダウンロード制限がない。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「先日、AI音楽の競争を「一発で完成曲が出る自動販売機のSuno」対「対話で作り込むグーグルの工房」と対比した。その構図が早くも動いた。Sunoが制作ソフト「Studio」を大幅更新し、工房側へ本格的に踏み込んできたのだ。目玉は、音楽制作の共通言語であるMIDIへの対応である。鍵盤で弾いたメロディを取り込み、編集し、さらにそれをAIへの指示として新しい音を生成させる。会話で楽器やボーカルを作らせるチャット機能や、パートごとの分解も備え、姿は本職の制作ソフトに近づいた。グラミー受賞アーティストがこのStudioでチャート1位の曲を作ったと同社は言う。一発生成の手軽さで数千万人を集めたSunoと、工房から入るグーグル。出発点は正反対だが、目指す先は同じ「作り込める環境」だ。AI音楽の勝負が、生成の速さから制作体験の深さへ移ったことは、もう疑いようがない。」














