AI検出技術を手がける米スタートアップ「Pangram Labs」は7月30日、最新の資金調達ラウンドで900万ドル(約14億6,500万円)を確保したと発表した。Pangramは、次世代AIテキスト検出モデル「Pangram 4」とAI画像検出モデル「Pangram Image」(研究プレビュー版)をリリースしたばかり。

同社はスタンフォード大学のAI・機械学習専攻の卒業生である2人が約2年前に創業。今回の資金調達ラウンドは、メンロ・ベンチャーズが主導し、ヘイスタック、ScOp、スクリプト・キャピタル、カデンツァが参加した。

Pangramによると、新しいテキスト検出モデルは、AIを活用した文章や、人間とAIのコンテンツが混在する場合でも99%以上の精度で検出できるほか、AIによる「ヒューマナイザー(人間が書いたような自然な文章に変換)」プログラムもより容易に検出できる。

一方、AI画像検出システムは、ピクセルレベルの分布を分析し、実際の写真とAI生成画像の間の微妙な統計的差異を学習。実際の写真の中に混入したAI画像さえも検出できるという。

同社のAI検出システムは本質的に大規模な機械学習モデルで、メタデータや透かしに依存していない。AIによる支援の程度を見極めることも可能。Pangramの技術は、コンテンツ配信プラットフォーム「Substack」や知識共有プラットフォーム「Quora」などにも統合されている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「AIが作った文章や画像を見破る——それだけを武器に、米スタートアップのPangram Labsが約14億6,500万円を調達した。同社の検出モデルは、AI文章を99%以上の精度で見抜き、人間とAIの合作や、AI文章を人間らしく変換する「ヒューマナイザー」まで検出するという。この会社の存在自体が、時代を物語っている。ネットにはAI生成のコンテンツが洪水のように流れ込み、どれが人の手によるものか、見た目では判別できなくなった。だからこそ「本物と偽物を見分ける技術」が、投資家がお金を出す事業になったのだろう。ゴールドラッシュで儲かるのはツルハシ屋、という格言があるが、AIブームでは鑑定士もその一人らしい。SubstackやQuoraといった投稿サイトが早速導入しているのは、書き手の信頼がサービスの生命線だからだろう。作るAIが増えるほど、見抜くAIの価値も上がる。奇妙だが必然の市場が育ち始めたのかもしれない。」