noteは7月15日、ゲームに関する投稿をAIで分析した「みんなが語ったゲームランキング2026上半期」を公開した。

このランキングは、売上本数やダウンロード数ではなく、ユーザーが「プレイ後に思わず語りたくなったゲーム」を可視化することを目的とした取り組みである。2025年12月1日から2026年5月31日までに投稿されたゲーム関連記事を対象に、AIが本文からゲームタイトルを抽出、言及したユーザー数を集計して順位を決定している。

総合部門では『ポケットモンスター』が首位となり、『ドラゴンクエスト』『ポケモンカードゲーム』『ファイナルファンタジー』『Minecraft』など、長年親しまれてきたシリーズ作品が上位に並んだ。

一方の新作部門では、『ぽこ あ ポケモン』が首位を獲得。続いて『ドラゴンクエストVII Reimagined』といったリメイク作品も上位に入るなど、発売直後の話題性だけでなく、体験を共有したくなる作品が存在感を示した。

「売れたゲーム」と「語られたゲーム」は別軸

今回のランキングの注目点は、「どれだけ遊ばれたか」ではなく「どれだけ語られたか」という視点で作品を評価していることだ。ゲーム市場では販売本数や売上高、同時接続者数といった指標が成功の基準とされてきたが、SNSや動画配信を通じて体験を共有する文化が定着したことで、「語りたくなる作品」という側面にも注目が集まっている。

こうした違いは、市場動向と比較すると鮮明になる。Sensor Towerが発表した国内モバイルゲーム市場の収益ランキングでは『ラストウォー』が首位だったが、noteのランキングでは『ポケットモンスター』や『ドラゴンクエスト』といった長寿シリーズが上位を占めた。

両者は対象や集計方法が異なるため単純比較はできないが、商業的成功を示す指標と、プレイヤーの言及を集計した指標とで異なる傾向が見られる点は興味深い。売上ランキングが購入や課金による市場規模を示すのに対し、言及ランキングは体験を共有したいという度合いを可視化したものであり、作品の文化的な存在感を捉える尺度といえる。

コミュニティの熱量が作品の存在感を支える

実際、『ポケットモンスター』や『Minecraft』は発売から年月が経っても攻略や創作、考察などさまざまな切り口で語られ続けている点が興味深い。長年形成されてきたコミュニティが継続的な言及を生み、関心を長期的に維持する要因にもなっている。

そして、海外でもSteamのレビュー文化や、Redditにおける特定タイトルに関する議論など、販売本数だけでは説明できないコミュニティの熱量が作品の存在感を支える構造は共通している。

なお今回のランキング作成にはAIが活用されており、従来は人手を要した言及分析を効率的に行える環境が整いつつある。今後は言及数に加え、感情分析や話題の広がり方まで含めた市場分析への発展も見込まれる。

「語られる体験」が新たな競争力に

こうした変化はゲーム会社の開発やマーケティングにも新たな視点をもたらす。プレイ時間や継続率、課金率に加え、「感想を書きたくなるか」「SNSで共有したくなる体験を提供できるか」といった要素も競争力の一つとして見て差し支えないだろう。考察が盛り上がるシナリオや攻略法を議論したくなるゲームデザインは、ユーザー自身の情報発信を促し、作品の認知拡大や話題創出に寄与しうる。「語られるゲーム」を生み出すこと自体が、ブランド戦略の重要な要素となるからだ。

「どれだけ売れたか」と「どれだけ語られたか」。両者をあわせて捉える視点は、これからのゲーム市場を読み解くうえで重要性を増していきそうだ。