YouTubeは、英国においてポッドキャストを視聴するために利用されるサービスとして、Spotifyを追い抜き、最も人気のあるプラットフォームとなった。米国では2年前に同様の逆転現象が確認されている。米市場調査会社エジソン・リサーチが7月8日に公表した報告書から、こうした実態が明らかとなった。

15歳以上の週1回以上ポッドキャストを聴くリスナーのうち、29%がポッドキャストを聴く際に最もよく利用するサービスとしてYouTubeを選んでおり、Spotify(28%)を初めて上回った。2023年には前者が19%、後者が33%だった。

同調査会社は「数年前まではYouTubeがポッドキャストのプラットフォームとして適しているとは考えにくかったかもしれないが、今では多くのクリエイターがビデオポッドキャストを取り入れ、番組を音声と動画の両方の形式で収録するようになった」と指摘。動画と音声のコンテンツがますます融合していく中で、クリエイターとリスナーは、よりダイナミックで魅力的な体験の恩恵を受けていると分析した。

Spotifyがここ数年、ポッドキャスト分野に10億ドルもの投資を行ってきたにもかかわらず、YouTubeは同分野でSpotifyを圧倒し続けている。Spotifyはビデオポッドキャストにも投資しているが、ネット上の多くのユーザーは、Spotifyでの動画コンテンツの増加に関心を示しておらず、Spotifyは音楽を聴くためだけに利用し、今後もそのように利用し続けたいと述べている。

(文:坂本 泉)

 

榎本編集長「作業や家事をしながら流すYouTubeの対談動画。画面を見なくても楽しめる、あの雑談やトーク番組——実はあれこそが、いまのポッドキャストだ。

 
かつてポッドキャストといえば音声だけの配信を指したが、いまや人気番組の多くが収録風景ごと動画で配信され、聴くのも観るのも自由なトークコンテンツになっている。
 
その聴取の主役の座を巡り、英国でYouTubeが音声配信の雄Spotifyを初めて追い抜いた。米国では2年前に同じ逆転が起きている。Spotifyは10億ドル(約1,577億円)超を投じてこの分野を育てたが、「トークは動画ごと楽しみたい」という流れには勝てなかった格好だ。
 
日本でも、ラジオ感覚で流すトーク動画は生活にすっかり根づいている。「ながら聴き」できるおしゃべりコンテンツの覇権争いで、動画と音声の境界が溶けていく——世界共通の変化が読み取れる。」