中央公論新社が刊行する「台湾漫遊鉄道のふたり」(楊双子・著/三浦裕子・訳、原題「台湾漫遊録」/英訳版「Taiwan Travelogue」)が、イギリスの2026年国際ブッカー賞を受賞した。英語圏で最も注目される文学賞のひとつを台湾の小説が受賞するのは初めてであり、原作が中国語の作品としても初となる。過去に日本人の受賞者はおらず、最終候補作品として2020年に小川洋子の「密やかな結晶」、22年に川上未映子の「ヘヴン」、25年に川上弘美の「大きな鳥にさらわれないよう」が選出されている。
ブッカー賞は、1968年にイギリスで創設された文学賞で、世界で最も権威ある文学賞の一つ。選考対象となるのは、英語で書かれ、その年に出版された最も優れた長編小説に与えられる。本書は2024年全米図書協会(National Book Foundation)による全米図書賞(National Book Awards)翻訳部門を受賞しており、今回、国際ブッカー賞とのダブル受賞という快挙を成し遂げた。日本では第10回(2024年)日本翻訳大賞受賞作で、現在9刷33,600部となっている。
本書は、1938年の台湾を舞台に、結婚から逃げる日本人作家・青山千鶴子と台湾人通訳・王千鶴が、台湾縦貫鉄道で旅をしながら台湾の食文化に魅了されていく物語。国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差など、あらゆる壁に阻まれながら旅を続けるふたりの姿を描く。著者の楊双子は1984年生まれ、台中市烏日育ち。本名は楊若慈で、「楊双子」は双子の妹・楊若暉との共同ペンネーム。最新小説「四維街一號」の邦訳が2025年に中央公論新社より刊行されている。














