経済同友会は都内で会見を開き、政策提言「部活動の地域展開を起点とした好循環モデルの構築を ~スポーツ・文化芸術分野の投資と成長の好循環に向けて~」を発表した。提言は、2025年度スポーツと文化による社会の再生プロジェクトチーム(PT)が取りまとめた。委員長はMIXI取締役社長上席執行役員CEOの木村弘毅および アートパワーズジャパン代表理事の山口栄一氏が務めた。

部活動の地域展開(地域移行・地域連携)は教員の長時間勤務の是正や少子化への対応を契機として進められてきたが、財源規模・担い手確保・地域差への対応などの実装上の課題に十分な対応がなされていないと指摘。財源規模と確保策を曖昧にしたまま改革を進めれば、改革の空洞化や教員負担の逆戻り、地域間・家庭間格差の拡大を招くおそれがあるとしている。

提言では早急に講ずべき対策として以下の4点を挙げている。

1つ目は企業参画を促す税制措置。企業版ふるさと納税の拡充や、部活動の地域展開に関する企業活動の費用を法人税から税額控除する優遇措置の導入を求めている。2つ目はスポーツ振興くじ(toto等)の助成金活用拡充。新たな税負担を伴わない財源として、対象スポーツの拡大やエンターテインメント性の高い投票形式の導入などにより売上の大幅拡大を図り、部活動の地域展開を支える基幹財源の一つとして強化するよう求めている。

3つ目は保護者・生徒への双方向のコミュニケーションの徹底。指導者・費用・安全対策などを丁寧に説明し、一方的な通知にとどめず不安の払拭に努めることを各地方自治体に求めている。4つ目は国による財政支援の充実で、上記の措置を講じてもなお財源が不足する場合の国による対応を求めている。

また提言は、部活動改革を教育関係者だけの課題にとどめることなく、スポーツや文化・芸術を核とするコンテンツ産業の成長、地域の経済循環へとつながる社会基盤の再構築として捉える視点を示している。