<p>アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス創業者兼会長は、Prime Videoの責任者であるマイク・ホプキンス氏に対し、AIを前面に押し出すよう、同ストリーミングサービスの抜本的な見直しを指示したという。自社がAIに投じた数千億ドル規模の投資をアピールする狙い。複数の情報筋の話として、ロイター通信が7月23日伝えた。</p>
<p>このプロジェクト「Lighthouse」は、AI分野における自社の地位を高めるための全社的な取り組みにおける重要な一翼を担っていると見なされている。2021年にCEOの座を退いて以来、日常業務から距離を置いているベゾス氏の積極的な関与は、AI基盤モデルの性能が不十分という評判と闘う同社にとって、同プロジェクトがいかに重要かを浮き彫りにしている。</p>
<p>刷新計画には、AIを活用して映画やテレビ番組のレコメンデーションを改善する幅広い新機能が盛り込まれており、その一環として消費者の好みを学習したり、音声によるリクエストに応答したりする機能も含まれているという。メインホームページの再設計にも取り組んでおり、音声アシスタント「Alexa」をPrime Videoの検索機能に統合することも検討している。</p>
<p>ベゾス氏は、先にホプキンス氏が提案したPrime Videoの刷新計画において、AIやパーソナライゼーションにおける同サービスの能力が十分に強調されていないことに不満を抱いていたという。</p>
<p>(文:坂本 泉)</p>
<p>榎本編集長「Prime Videoの画面を、AI中心に作り直せ——アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが、自ら陣頭指揮を執っているという。2021年にCEOを退いて以来、日常業務から距離を置いてきた人物の異例の復帰である。部下の刷新案を「AIの押し出しが足りない」と突き返したというから、本気度が分かる。
背景には、アマゾンの焦りが透ける。同社はAIに数千億ドル規模を投じてきたが、自社のAIモデルの評判は競合に見劣りするとされ、巨額投資の成果を世に示す「見せ場」を欠いてきた。そこで選ばれたのが、誰もが毎晩触れるPrime Videoの画面というわけだ。
好みを学ぶおすすめ、声で探せる検索——生活の中で最もAIを体感させやすい場所を、ショーウィンドウにする狙いである。技術の優劣は論文でなく、日常の画面で証明する時代になった。創業者を現場に呼び戻すほど、その競争が切実だということが読み取れる。」</p>