Spotifyは7月21日、フル尺の動画を中核としたアーティスト向けの新たな動画エコシステムを立ち上げた。6月にアーティストがフル尺の動画をプラットフォームに直接アップロードできる機能を有効化したのに続き、動画を「真の成長ツール」に変える2つの新機能を追加した。

アーティストがSpotifyの編集チームに動画を提出し、プレイリストへの掲載を検討してもらうことができるピッチングツールを提供。「Today’s Top Videos」や「Best New Videos」など、世界中で利用可能な100以上の動画プレイリストに掲載される機会が得られる。

また、Spotify初の音楽ビデオ専門チャートを展開。1日当たりの再生回数に基づいた世界トップ50を発表するとともに、毎週ソーシャルメディアチャンネルで上位10本の特集を組む。

Spotifyによると、現在ベータ版である直接アップロード機能は、現時点で「10万人近くのアーティスト」に提供されている。これら動画はロイヤリティが発生し、チャート対象となる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「MVを観た人は、その曲をその後3週間で64%も多く聴く——Spotifyが公表したこの数字に、同社が動画へ本気を出す理由が詰まっている。曲を保存したり人に薦めたりする割合も1.4倍、そのアーティストの他の曲まで57%多く聴くという。観ることは、ファンになる入り口なのだ。
だからSpotifyは、MVの世界チャートを作り、アーティストが動画を直接投稿できる仕組みを整えた。狙う相手は明白で、MV視聴の王者YouTubeである。これまで音楽アプリで曲を聴き、MVは動画サイトで観る、と役割が分かれていた。その「観る時間」ごと自分のアプリに取り込めれば、利用者の滞在は長くなり、ファンの熱も深まる。
聴く場所と観る場所の垣根を壊す競争が、いよいよ本丸に入ってきた。」