DruskiからClavicularに至るまで、成功を収めているコンテンツクリエイターの多くは、アマチュア編集者たちを大勢動員して、自身のコンテンツを短編のバイラル動画に編集してもらっている。だが、こうしたクリッパー(切り抜き動画の編集者)は、AIに取って代わられる可能性に直面している。米エンターテインメント誌「ザ・ハリウッド・リポーター」が4月9日伝えた。

米国のオーディオメディア「iHeartMedia」は昨年、AIを活用した動画クリッピング企業Overlapと提携。自社ライブラリを活用し、ホストたちのクリップ(短編動画)をソーシャルメディア上に大量に配信した。通常、クリッピング作業は人間のスタッフに依頼されることが多いが、iHeartMediaはクリップの制作と公開のためにAIエージェントを動員した。

インフルエンサー兼プロレスラーのローガン・ポールやYouTuberのマーク・ローバーら他のクリエイターも、別のAI搭載ツール「OpusClip」を利用。ユーザーが長尺動画をアップロードすると、即座にショートクリップが生成され、自動的に投稿されるものだ。

一方で、人気ポッドキャスターのザック・ジャスティスは、クリッパーの直感はバズを生み出す上でしばしば役立つと主張。『Dropouts』を共同ホストしていたころ、クリッパーが投稿した動画を通じて、どのようなコンテンツが視聴者に受け入れられるかを把握し、その知見を活かしていた。ジャスティスはかつて『Dropouts』の宣伝のために、1カ月で総額約5万ドル(約795万円)をクリッパーに支払ったという。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「1カ月5万ドルを人間のクリッパーに払い、彼らの直感から「何がバズるか」を学んでいた——ザック・ジャスティスのエピソードは、クリッパーという職業の本質的な価値を示している。

AIが瞬時に大量のクリップを生成できるようになった今、問われるのは「切り取る技術」ではなく「何を切り取るかの判断」だ。ソダーバーグ監督が「AIには人間のきめ細やかな監督が不可欠」と語ったことと、この構造は重なる。iHeartMediaのAI大量生成とジャスティスの人間クリッパーへの投資——どちらが正解かは、目的によって異なる。量とスピードならAI、文化的文脈の読解と視聴者との信頼構築なら人間の直感が勝る。

TikTokのCameoとInstagramのスーパーファン調査が示すように、「大量配信」より「深い関係」を求めるトレンドも同時に進行している。クリエイターエコノミーで「量を作るAI」と「意味を作る人間」の役割分担が明確になりつつある。」