PCゲームのプレイ時間と収益の多くが、人気上位20タイトル以外からもたらされているーー。オランダのゲーム市場調査会社Newzooが4月14日に公表した最新レポートから、こうした実態が明らかとなった。
PCゲーム市場において、欧米地域(米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)の2025年の売上高のうち56%が、トップ20圏外にランクインしたゲーム作品から生み出された。2022年の48%から上昇。トップ20位圏外のタイトルによるプレイ時間は42%と、2022年から9ポイント伸びた。
PlayStationやXbox(コンソールゲーム)でも、規模は小さいものの同様の傾向がみられる。ただ、PlayStationでは上位20位圏外のタイトルのユーザーエンゲージメントは高まっているものの、支出は依然として人気シリーズに集中。またXboxでは、サブスクリプション方式の影響でプレイされるゲーム数が増加したものの、収益は依然として上位タイトルに偏っている。
なお、2025年にはPCゲームのプレイ時間の80%を79タイトルが生み出したのに対し、2022年は52タイトルだった。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「トップ20圏外のPCゲームタイトルが売上の56%を生み出す——この数字が示すのは、かつて「1,000万本売らなければ失敗」と言われたAAAゲームの世界に、30万〜100万本で十分な利益を出す「ミドルクラス」の居場所が確立されてきたことだ。ゲーム制作の民主化が収益の分散という形で現れてきた証でもある。
ただし数万タイトルある中でわずか79タイトルがプレイ時間の80%を占めるという事実も同時に示されており、「多様化」と「集中」が並存する複雑な構造だ。
Unreal EngineやUnityの普及、Steam経由の低コスト流通が個人や小規模スタジオのゲームを世界市場に届けることを可能にした流れは、TuneCoreが51万5,000組のアーティストの配信を支える音楽市場の構造と重なる。
PlayStationやXboxでは収益の偏りが残り、モバイルを含む全プラットフォームでは依然として上位タイトルが利益の大半をさらう「パレートの法則」が強く働く。ゲーム産業の多様化は始まったが、収益構造の変革はまだ道半ばといえそうだ。」














