Netflixは、ポッドキャスト事業の拡大を率いる責任者として、Apple Podcastsでマーケティング責任者を務めたスティーブ・ウィルソン氏を採用した。米エンターテインメント業界誌バラエティーなどが報じた。

ウィルソン氏はポッドキャストコンテンツの調達を担うことになり、当初はコンサルタントとして着任する。同氏はアップルに15年間在籍し、ポッドキャスターとの提携業務を担当。2020年の同社退社後は、ポッドキャストスタジオ「QCode」とその姉妹ブランド「Daylight Media」で最高戦略責任者を務めた。

ポッフォキャストを巡っては、Netflixは9月に、オリジナル動画ポッドキャスト全シリーズの配信を継続と新番組の追加を発表。ただ、ポッドキャストの視聴統計は公表しておらず、長期的にどのような関心を寄せているのかも不透明だ。

Netflixは現在、組織再編の一環として全世界の従業員の約6%(約1,000人)の削減を進めており、コンテンツ最高責任者(CCO)や映画部門責任者などの幹部を入れ替えている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「ポッドキャストという名前自体が、アップルの遺産だ。語源は「iPod」と「放送」の合成語で、2005年にiTunesがポッドキャストを正式対応した瞬間から、この文化は世界に広がった。誰でも無料で番組を配信できる開かれた仕組みを支え続けたのがアップルで、スティーブ・ウィルソン氏はそのアップルで15年、ポッドキャスターとの提携を担った人物である。その立役者を、いまNetflixが調達責任者として迎える構図は象徴的だ。かつて「無料の音声文化」だったポッドキャストは、動画化(Vodcast)の波で様変わりし、米国では広告市場だけで年24億ドル(約3,800億円)規模、YouTubeでは月10億人超がポッドキャスト系コンテンツに触れる巨大市場になった。火を点けた会社の人材が、収穫期の主役候補へ移る。20年かけて一つの文化が産業になった節目として感慨深い人事だ。」