Snapchatは7月31日、同プラットフォームで人気のショート動画フィード「Spotlight」において「完全にAIによって生成された動画」の推奨を停止し、人間が制作したコンテンツを優先すると発表した。

同社は、インターネット上で、質の低い、画一的なAI生成コンテンツが溢れる中、Spotlightを「人々が実在する人々による本物の創造性を発見できる場とし続けたい」と表明。「独自の視点や個人的なストーリーテリング、そして人々が自ら作り出し、共有することを選んだ瞬間を称えることには、不変の価値があると信じているからだ」と説明した。

AIを全面的に否定しているわけではなく、AIツールを部分的に使用して編集されたコンテンツは、引き続き推奨対象となる。同社は独自のAIクリエイティブツールを提供するなど、AIの活用には肯定的な姿勢を示している。

Snapchatは4月、ユーザーに表示されるAI生成コンテンツの量を減らすと表明していた。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Snapchatは、米国の若年層を中心に月間9億人超が使うメッセージングアプリで、写真や短尺動画のカジュアルな共有文化を築いてきた存在だ。そのSnapchatが、ショート動画フィードから完全AI生成動画の推奨を外し、人間の作品を優先すると宣言した。
注目すべきは、これが倫理宣言ではなく事業判断だという点である。
AI生成の「スロップ」と呼ばれる画一的な動画が各プラットフォームに氾濫するいま、「ここに来れば本物の人間の創造性に出会える」ことは希少価値になりつつある。AIツールでの編集は許容し、全面AI生成だけを推奨から外すという線引きも現実的だ。
日本でもショート動画へのAI流入は加速しており、「何を推薦するか」がプラットフォームの個性を決める時代が来る。人間性を売りにする戦略は、その実例として参考になりそうだ。」