ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)とソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は、音楽生成AI「Suno」との著作権侵害訴訟を巡り、Sunoの投資家であるライトスピード・ベンチャー・パートナーズに対し、関連書類の提出および証言を求めている。

両レーベルは10月13日、連邦裁判所に提出した書面において、ライトスピードが提出した召喚状の取り消しを求める申し立てに反対する主張を展開した。ライトスピードに回答を求めている事項の中には、Sunoのトレーニングデータに関連する法的リスクに関する文書や通信記録などが含まれる。

ライトスピードは、SunoのシリーズB、C、Dの資金調達の全てに参加。2024年5月のシリーズBの資金調達(1億2,500万ドル)を主導し、Sunoの取締役会に1席を有する。ライトスピードは2025年10月、レコード会社側からの以前の召喚状に応じて152件の文書を提出。集計期間は2025年6月6日までで、シリーズCやシリーズDの資金調達ラウンドに関するデータは一切含まれていないため、レーベル側は締め切り後に作成された文書の提出と証言を求めている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Sunoをめぐる著作権訴訟で、レーベル側の追及は出資者にも及んだ。ユニバーサルとソニーは、主要投資家ライトスピードに学習データの法的リスクを評価した文書や通信記録、証言を求めている。焦点は、Sunoが侵害を認識していたか、AI学習がフェアユースに当たるかだ。同社は提訴後も追加出資を続け、Sunoの取締役会にも席を持つ。音楽業界には前例がある。2000年代、ナップスターを資金面で支えたベルテルスマンがレーベルなどに提訴され、2006~07年に総額約4億ドル規模で和解した。ただし責任を認めたわけではない。Udio事件では2025年、裁判所が投資家a16zに文書提出を命じた。今回も投資家の責任が問われているわけではなく、証拠開示が争点だ。それでも、出資先の権利処理をどう調べたかが法廷で検証されるとなれば、VCの投資審査は変わる。著作権リスクが、資本調達の条件になり始めている。」