DMM GAMESを運営する合同会社EXNOAは2026年8月31日、iOS向けのストアアプリ「GAMES STORE」をリリースした。このアプリを入れると、App Storeを経由せずにDMM GAMESのゲームをiPhoneへ直接インストールして遊べるようになる。
初日のラインナップは、『マブラヴ ガールズガーデン』『ティンクルスターナイツ』『ドットアビス』『恋姫†大戦』など全年齢向けが10タイトル。これに加えて成人向けのR18版も用意される。
ティザーサイト公開時点では12タイトルが並んでいた。対応作品は今後も順次追加される予定だという。9月2日からは、対応ゲームの起動でDMMポイントがもらえる記念キャンペーンも始まる。
これまでもiPhoneのブラウザで遊べたが、アプリ化で動作が軽くなったほか、プッシュ通知で最新情報も受け取れる。ブラウザ版とのデータ連携にも対応し、既存のプレイヤーは続きからプレイ可能だ。
背景にあるのは「スマホ新法」
iPhoneでは長らく、アプリはApp Storeからしか入手できなかった。この前提を変えたのが、2025年12月に全面施行された「スマホソフトウェア競争促進法」、通称スマホ新法である。アプリ配信や決済の寡占を是正するため、AppleやGoogleに他社運営の「代替アプリマーケットプレイス」を認めるよう義務づけた。欧州のデジタル市場法(DMA)に近い枠組みで、これを受けてAppleはiOS 26.2から日本国内でも外部ストアの導入を解禁している。
DMM GAMESはAndroid向けのストアアプリをすでに展開していたが、iOSでは同じことができなかった。今回のリリースは、法改正によってようやく実現した形だ。DMM GAMESがiOS版ストアの計画を明らかにしたのは、2026年4月のことだった。
鍵を握るのは成人向けタイトル
App Storeの審査基準では、性的な表現を含むアプリは配信できない。そのためDMMの成人向けタイトルは、iPhoneではブラウザで遊ぶか、表現を差し替えた全年齢版で我慢するしかなかった。代替ストアであればこの制約を受けず、ネイティブアプリとして配信できる。インストール前に年齢制限指定を「Unrated」に変更する手順が求められるのは、その裏返しといえる。
自社ストアで課金まで完結すれば、App Storeに払う手数料の負担を抑えられる余地も生まれる。ただしAppleは代替ストア側にも独自の手数料を課しており、負担はゼロにならない。
先行したEpic Games Storeとの違い
国内では、Epic Gamesが2026年5月にiOS版「Epic Games Store」を開設し、『フォートナイト』が日本のiPhoneに復帰したことが話題を集めた。ただ、ローンチ時点で並んだのは同社自身のタイトルだけで、国内パブリッシャーの参加はなかった。
もっとも当時は、外部の開発者が出品を申請する仕組み自体が一般開放されていなかった。同社CEOのティム・スウィーニー氏は、Appleが競合ストアにも課す「コア技術料」やインストール手順の煩雑さを、新法の趣旨に反すると批判してきた。
その意味で、登録ユーザー約4000万人を抱える国内最大級のプラットフォームが自社ストアを立ち上げた意義は小さくない。
普及に向けたハードルは残る
もっとも、利用の敷居は低くないのが現状だ。動作環境はiOS 26.6以上が推奨で、26.2未満ではインストールできない。ブラウザはSafari、日本国内からのアクセスと国内のAppleアカウントが条件で、iPadには対応しない。設定アプリからスクリーンタイムの項目をたどる事前準備も要る。
App Storeの一強が崩れる段階ではない。それでも、成人向けという明確な武器を持つ事業者が動いたことで、代替ストアが誰にとって価値を持つのかは具体的に見えてきた。














