アプリ市場分析サービスを展開するSensor Towerは7月14日、「2026年上半期 日本モバイルゲーム市場インサイト」を公開した。同レポートでは、2026年1月から6月までの日本におけるモバイルゲーム市場を対象に、収益ランキングやダウンロードランキング、収益成長ランキング、パブリッシャー別ランキングなどを分析している。

レポートによると、2026年上半期の収益ランキングでは、FUNFLYが運営する『ラストウォー:サバイバル』が首位を獲得。同作は2025年下半期に続いてトップを維持しており、日本市場で海外発タイトルが継続的に高い収益を上げる状況が定着しつつあることを示す結果となった。

一方、ダウンロードランキングではカジュアルゲーム『ブロックブラスト』が首位を獲得。パブリッシャー別収益ランキングではバンダイナムコエンターテインメントがトップとなり、『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』が同社収益を大きく押し上げた。また、収益ランキング上位10タイトルのうち8タイトルを日本企業のゲームが占めるなど、海外タイトルの存在感が高まる一方で、日本企業も依然として高い競争力を維持していることが明らかになった。

これらのランキングを並べると、「海外タイトルが収益首位を獲得した」という事実と、「日本企業がパブリッシャーランキングを制した」という結果は一見対照的にも映る。しかし、市場全体を俯瞰すると、今回のレポートが示しているのは国産か海外産かという単純な構図ではない。日本のモバイルゲーム市場では、タイトルの出自以上に、強力なIPと継続的なライブサービス運営をいかに組み合わせられるかが競争力を左右する。

日本市場で進んだ「海外タイトル定着」の流れ

その変化を理解するには、日本市場の歩みを振り返る必要がある。2010年代前半から中盤にかけては、『パズル&ドラゴンズ』や『モンスターストライク』をはじめとする国産タイトルが市場を席巻し、日本企業が圧倒的な存在感を放っていた。しかし2020年代に入ると、中国や韓国のデベロッパーがライブサービス型ゲームへの大型投資を進め、『原神』や『勝利の女神:NIKKE』などが日本市場でも高い支持を獲得。「海外製ゲームは日本では成功しにくい」という従来のイメージは大きく変化した。

今回、『ラストウォー:サバイバル』が収益ランキング首位を維持したことは、その流れが一過性ではなく、日本市場へ定着したことを示している。ただし、それは海外企業が日本企業を上回る競争力を手にしたという単純な話ではない。収益ランキングでは依然として日本IPを活用したタイトルが多数を占め、パブリッシャー別ではバンダイナムコエンターテインメントが首位を獲得していることからも、日本企業は長年培ってきたIPという資産を武器に競争力を維持していることが分かる。

ダウンロード数と収益は異なる指標になりつつある

一方で、ダウンロードランキングと収益ランキングで顔ぶれが大きく異なる点も見逃せない。ダウンロード数では『ブロックブラスト』のようなカジュアルゲームが幅広いユーザーを獲得する一方、高い収益を上げているのはライブサービス型タイトルである。現在のモバイルゲーム市場では、「新規ユーザーを集めること」と「継続的な収益を生み出すこと」が異なる仕組みで成り立つケースが増えており、それぞれに適したゲームデザインや運営戦略が求められている。

その代表例が『eFootball』だ。同作は前年同期13位から3位へと大きく順位を伸ばした。大型アップデートに加え、『NARUTO-ナルト- 疾風伝』とのコラボレーションや2026 FIFAワールドカップといった外部イベントを取り込み、継続的な話題を生み出したことが収益拡大につながったとみられる。ライブサービス型ゲームでは、ゲームそのものの完成度だけではなく、ユーザーが継続的に復帰したくなるきっかけを提供できるかどうかも重要な競争力になっている。

世界市場でも重視される「IP×運営力」

こうした傾向は、日本市場だけに限ったものではない。世界のゲーム市場でも、タイトルを継続的にアップデートし、新規コンテンツやコラボレーション、コミュニティ施策を積み重ねるライブサービス型の運営が主流となりつつある。ゲームビジネスは「発売して終わり」のモデルから、「長く遊び続けてもらうサービス」へと軸足を移しており、日本市場もその流れの中にある。