ぴあが主催する「第48回ぴあフィルムフェスティバル2026」のコンペティション部門「PFFアワード2026」の入選作品が決定した。映画祭は9月18日から26日まで国立映画アーカイブにて開催される。

「PFFアワード」は1977年にスタートした、映画監督を目指す若者たちの自主映画コンペティション。「国宝」が社会現象となった李相日監督、池松壮亮主演の話題作「開戦前夜」の公開を控える石井裕也監督、大ヒットシリーズ「キングダム」を手掛ける佐藤信介監督など、これまでに200名を超えるプロの映画監督を輩出してきた。「PFFアワード2026」の応募数は史上2番目となる834作品。2024年から実施している10代の出品料無料化の効果もあり、過去3年間で10代からの応募数は413%(23本→95本)と急増し、今年の応募作の約3分の2は20代以下の作品となっている。

17名のセレクション・メンバーによる約4か月間の選考を経て、決定した入選作品は23本。平均年齢は24.5歳で、高校生監督による作品も3本入選するなど若年層の躍進が目立つ結果となった。今年は中国、韓国、台湾出身の監督も入選を果たしており、アニメーションも5作品含まれている。全23本は9月の東京会場で2回のスクリーン上映に加え、U-NEXTをはじめとするプラットフォームでのオンライン同時配信も予定。グランプリなど各賞は9月28日の表彰式にて発表され、11月5日から8日まで開催される京都会場(京都文化博物館)でもスクリーン上映がある。映画祭のプログラム、審査員の発表は8月上旬を予定している。

「PFFアワード2026」入選作品

『A New Town』(39分)監督:小池勇瀬(22歳/宮城県出身/東京都立大学 人文学科)
『おむかえ』(27分)監督:三宅美和子(25歳/岡山県出身/早稲田大学 文化構想学部)
『The Perfect Body』(30分)監督:中島きり(17歳/石川県出身/石川県立金沢泉丘高等学校)
『ささげにささげて』(14分)監督:早川永納(25歳/岐阜県出身/ENBUゼミナール 映画監督コース)
『THANK』(32分)監督:稲川悠司(28歳/愛知県出身/無職)
『自由研究事変』(28分)監督:松林美和(22歳/熊本県出身/大阪芸術大学 映像学科アートアニメーションコース)
『ジョージのハッピーロマンス』(53分)監督:市川雄大(24歳/東京都出身/フリーター)
『そしてナイフを手にした』(12分)監督:クワ(29歳/中国出身/東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻)
『隣に』(33分)監督:清家天(26歳/東京都出身/フリーランス)
『夏と修羅』(44分)監督:川村圭乃(17歳/高知県出身/高知学芸高校 映画研究部)
『残るものについて』(12分)監督:屋鋪柚人(23歳/埼玉県出身/武蔵野美術大学 映像学科)
『薄情なゲーム』(63分)監督:溝手連(22歳/東京都出身/日本大学 芸術学部)
『BAD LAND』(82分)監督:一色咲良(24歳/愛知県出身/東京造形大学 造形学部)
『母、長く赤い夜』(15分)監督:若林みちる(25歳/沖縄県出身/武蔵野美術大学大学院 映像・写真コース)
『パリ杉並区』(11分)監督:澁谷桂一(34歳/神奈川県出身/フリーター)
『火鉢』(44分)監督:中尾和空(22歳/神奈川県出身/武蔵野美術大学 映像学科)
『ブルーな蛸の日』(22分)監督:脇沙里亜(28歳/北海道出身/すいどーばた美術学院 彫刻科)
『ペルソナと俺』(23分)監督:藤井智也(17歳/東京都出身/東京都立工芸高等学校 グラフィックアーツ科)
『Melancholy Regrets』(14分)監督:JUNG WANI(23歳/韓国出身/弘益大学 フィルム&アニメーション)
『四次元悪魔』(11分)監督:薛大勇(25歳/台湾出身/東京藝術大学 先端芸術表現科)
『夜のバカンス』(54分)監督:福島大我(27歳/広島県出身/会社員)
『輪郭』(29分)監督:初見弘貴(34歳/東京都出身/会社員)
『わからなくていいよ!』(57分)監督:芝田日菜(25歳/千葉県出身/東京藝術大学大学院 先端芸術表現科)

※23本、作品名50音順、年齢は応募時、職業・学校名は制作時のもの

入選作品データは、入選数23本、年齢は平均24.5歳・最年少17歳・最年長34歳、作品時間は平均32.5分・最短11分・最長82分。応募全体データは、応募数834本、年齢は平均29.6歳・最年少10歳・最年長75歳、作品時間は平均29.7分・最短1分・最長192分となっている。

ぴあフィルムフェスティバル ディレクター 荒木 啓子 氏 コメント

本年も大変お待たせいたしました。17名のセレクション・メンバーと討議を重ね、23作品を「PFFアワード2026」入選作品として上映します。例年にも増して、困難な決断を迫られる、胸ときめく作品の山でした。短編とアニメーションの応募増加に驚きました。「映画制作はまず短編から」という、欧米の常識が日本にも到来したのかもしれません。映画を学校で学ぶ人たちの増加にも関係するのかもしれません。アニメーションは、もう、日本では「映画」の代名詞ではと感じてきましたので、なるほど、と感心するばかりの多彩さです。しみじみと、デジタル技術の発達は、かつて夢見た、手間暇かかる合成映像が個人でもつくれる日を実現しました。勿論、人間をじっくりみつめる長編映画、実写映画も芳醇に生み出されています。いま、どんな人が、どこで、どんな映画を生み出しているのか、浴びるように体験できるチャンスが、「PFFアワード」です。23人の監督による、自由で切実で熱く優しく美しい声が、9月の国立映画アーカイブに拡がります。是非、ご参加ください。