TVアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』が7月7日、Prime Videoで配信開始となった。制作には生成AIを一切使用しておらず、監督は、人間とテクノロジーが不可分につながった世界を舞台にしたこのサイバーパンクSFシリーズ制作に込められた「人間味」を強調した。
同作は『攻殻機動隊』シリーズ37年の歴史において、初めて東宝傘下のスタジオ「サイエンスSARU」が制作を担当。これまでは全てプロダクションI.G.が手がけていた。
今作が監督デビュー作となるモコちゃん監督は、米エンターテインメント業界誌バラエティー(Variety)に対し、手描きアニメーションの「手触り」を重視することが、士郎正宗による原作漫画を忠実に表現する最善の方法だったとコメント。「描かれているのはサイバー世界であっても、人が手描きしたということこそが、作品に温かみや魅力を与えている。その魅力をアニメでも再現したかった」と明かした。
デジタルメディア「テックタイムズ」は、完全に手描きによる制作プロセスを貫く姿勢は「真の人間性とは何か」「還元不可能な主観的体験とは何か」というテーマを扱う物語は、人間の手によって作られるべきだという哲学的な議論でもあると分析している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「新たな『攻殻機動隊』が、生成AIを一切使わず、全編手描きで作られた。攻殻ファンとして、ここに深い意味を感じずにはいられない。この作品が問い続けてきたのは、義体化された身体に宿る「ゴースト」——その人を其の人たらしめる魂とは何か、という問いだった。
人間と機械の境界が溶けた世界で「人間とは何か」を描くこの物語を、あえて人間の手だけで紡ぐ。効率を求めればAIに頼れる時代に、手描きにこだわった選択は、作品のテーマそのものと美しく響き合っている。サイバーな世界を描きながら、その一線一線に人の手の温もりが宿る。
機械には置き換えられない主観的な体験を描く物語に、作り手自身の「ゴースト」を吹き込むかのようだ。何を描くかだけでなく、どう描くかにまで思想が貫かれている。作品と手法が一つに重なる、その覚悟が新たな『攻殻』から伝わってくることが読み取れる。」














