米ボーイバンド「NSYNC」のジョーイ・ファトーンがエグゼクティブ・プロデューサーを務めた、1990年代のボーイバンドブームの暗部に迫る新ドキュメンタリーシリーズ『Boy Band Confidential』の配信がHBO Maxで始まった。
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)傘下のミステリー専門チャンネル「ID」で4月13・14日に初放送となった同シリーズは、ファトーンや元バンドメイトのランス・バス、バックストリート・ボーイズのAJ・マクリーン、ボーイズIIメンのウォンヤ・モリスとショーン・ストックマン、98ディグリーズのニック・ラシェイら、数多くの元ボーイバンドメンバーへのインタビューを収録。「作り上げられたスーパースターの背後にある仕組みと、その時代の華やかな完璧さの代償として払われた計り知れない人的犠牲」を暴くことを目的としている。
IDのジェイソン・サルラニス社長は「一世代を形作った文化的現象を、正直に、ありのままの姿で映し出している」とコメント。ファトーンの協力により、ポップスターとしての絶頂期におけるプレッシャーや脆さ、そして意外な現実を、音楽ドキュメンタリーではめったに実現できないほどの密着度で描き出している」と付け加えた。
予告編で、ニック・ラシェイによりバンドに全米の性行同意年齢(州ごとに異なる)をまとめたハンドブックが渡されていたことが明かされるなど、放送前から大きな注目を集めていた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「90年代ボーイバンドの暗部が当事者の証言で暴かれる——このドキュメンタリーが日本でも注目される理由は、K-POPとの構造的な重なりにある。緻密なトレーニング、グループの「設計」、メディア戦略——K-POPが世界を席巻する今、1990年代の米国ボーイバンドブームはその先行事例として読める。
NSYNCのファトーン、バックストリート・ボーイズのマクリーン——彼らが語る「華やかさの代償」は、現代のアイドル産業が直視すべき問いを含んでいる。予告編から明かされた衝撃的な証言が示すのは、「スターを作るシステム」が若い演者個人の尊厳をどこまで守れていたかという問いだ。
エンタメ産業が「作られたスター」という仕組みを洗練させてきた一方で、その仕組みの中に生身の人間がいることを、このドキュメンタリーは改めて突きつける。産業の発展と演者個人の尊厳の保護を両立させることが、エンタメ×IT時代においても変わらない本質的な課題だ。」














