メタ・プラットフォームズは、Facebookアプリを開いた際に従来のニュースフィードではなく、フル画面でリール(ショート動画)を表示する新たなユーザー体験(UX)を、インドとインドネシアの一部ユーザーを対象にテストしている。TechCrunchなどが10月6日伝えた。

試験中のUXでは、従来のフィードは、Facebookアプリの2つ目のタブとして引き続き利用できる。ユーザーはオプトアウトして、従来のフィード表示に戻すことも可能だ。

メタは7月、Facebookアプリに導入される一連の変更の一環として、リール優先の体験を試験的に導入する計画を発表していた。来年には米国のユーザーへの提供も検討していくとしている。

同社は2024年、FacebookとInstagramにおける総利用時間の60%を動画視聴が占め、両プラットフォーム全体でリールが毎日35億回シェアされていると公表。こうした状況の中、メタが動画にさらに重点を置くのは理にかなっており、起動時に直接リールを表示することで、エンゲージメントやユーザー定着率の向上につながる可能性がある。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「試験の舞台がインドとインドネシアなのは偶然ではないだろう。MetaはFacebookの起動画面をリールに替える試験を両国で始めた。インドでは2020年からTikTokが禁止され、リールやYouTube Shortsがその需要を引き受けた。一方、インドネシアはTikTok大国。競争条件の異なる二つの巨大な動画市場が実験場となった。Metaの調査ではインドのZ世代の89%がリールを毎日使い、Facebookの若年成人は利用時間の約6割を動画視聴に費やす。Metaは結果を見て2027年の米国展開も検討する。かつて新機能は欧米で磨かれ、新興国へ広がる印象が強かった。いまやアジアの巨大市場が製品設計の出発点となる。友人の投稿を見るSNSから、開いた瞬間に映像が始まる娯楽アプリへ。Facebookの転換がまずアジアの利用者に試される事実は、グローバルアプリの進化の起点が動いていることを示している。」