株式会社HIKEのチューニング・検証事業を担う猿楽庁が、自主調査「サルガクチョウサ vol.12〜モバイルゲーム市場における課金にまつわるユーザー調査〜」の結果を一部公開した。そこで首位に立ったのは、『ウマ娘 プリティーダービー』である。

調査対象となったのは、2025年にモバイルゲームで課金した実績があり、なおかつAndroidまたはiOSでプレイしている全国10代〜60代の男女1,000人。あらかじめ押さえておきたいのが、この順位は売上金額ではなく、「一番課金したタイトル」として名前を挙げた人数で決まっている点である。

実際、Sensor Towerのデータをまとめたモバイルゲーム売上ランキング(2025年1月1日〜12月25日、App StoreとGoogle Play合算)では『ラストウォー:サバイバル』が首位で、『ウマ娘』は6位にとどまる。市場全体の金額を測る指標と、一人ひとりの財布の指向性を測る指標は別物ということだ。

『ウマ娘』首位の背景にあるもの

猿楽庁は首位の要因として、大型の周年企画と海外版のリリースが話題を集め、ユーザーの需要と噛み合ったことを挙げる。同社が複数タイトルを海外投入した影響もあり、サイバーエージェントの2025年9月期第4四半期の海外売上高は、前年同期の33億円から200億円へと約6倍に伸びている。

順位を大きく上げた『原神』については、大型アップデートと人気キャラクターの復刻施策が需要を的確に捉えたと分析。ただし、前述の売上ランキングで『原神』は前年の10位から17位へ順位を下げている。多くの人が「一番課金した」と挙げることと、金額の総量が伸びることは別だと分かる。

『にゃんこ大戦争』も周年施策に加え、大型IPコラボやリアルイベント、グッズ展開といった多角的な展開が効いた。『モンスターストライク』や『Pokémon GO』といった定番タイトルは安定した支持を得ているものの、調査対象期間においては話題性の面で差がついたと説明されている。

「好きなIP」と課金額は一致しない

猿楽庁の調査で興味深いのは、『Fate/Grand Order』の扱いだ。「好きなIP」では「Fateシリーズ」がリリース10周年とメインストーリー第2部完結が重なり順位を上げた一方、課金タイトルとしては2024年調査からはやや順位を下げている。猿楽庁は、「10周年施策として無償石の大量配布が行われたことが直接的な課金に繋がりにくかったのではないか」と推測する。

2025年度の調査で好きなIPの首位を飾ったのは、「ポケットモンスター」だった。『Pokémon Trading Card Game Pocket』の好調に加え、家庭用の新作『Pokémon LEGENDS Z-A』の発売が重なり、IP全体の話題性が高まったことが要因とされる。ただし上位10位には長年続くシリーズIPが並んでおり、新規IPが注目を集める難しさも同時に示している。

限られた枠をどう取るか

同時にプレイするタイトル数では、ミドル層で「1タイトル」という回答が増えた。選ばれるタイトルは絞られつつある一方、課金目的は複数回答される傾向にあり、ライト層にもIPコラボ目的の課金が広がっている。価値さえ示せれば財布は開くが、遊んでもらう枠の数は限られている。