ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)は米国で、YouTubeおよびソーシャルプラットフォームの事業戦略と運営を統括する上級幹部(エグゼクティブ・バイスプレジデント)の採用を進めている。年俸は、破格の47万5,000〜52万5,000ドル(約7,400万〜8,300万円)を提示している。

この役職は、SPEのグローバル・ディストリビューションおよびネットワーク担当共同社長であるマイク・ウォルド氏とジェイソン・スピヴァク氏の直属となり、ソニーが保有する膨大な映画・テレビ番組ライブラリの価値を最大化する責任を担うこととなる。

同業のライオンズゲートも昨年、同様の役職にデジタルメディア業界のベテランを採用しており、ハリウッドがようやくYouTubeを本格的に重視し始めたことを示唆する動きだ。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「この求人で目を引くのは、年俸の数字よりも役職の格だ。エグゼクティブ・バイスプレジデントで、配給部門トップの直属。ハリウッドの人事の慣習に照らすと、YouTubeが「宣伝の出先」から「経営の主戦場」へ格上げされたように映る。長らくスタジオにとって、YouTubeは予告編を置く無料の掲示板であり、若手に任せるSNSの一つと見られがちだった。だが現実は変わってきた。米国のテレビ画面の視聴シェアでYouTubeは首位に立ち、若い世代にとっての「テレビ」は、すでにYouTubeになりつつある。ライオンズゲートが先行して同種の幹部を採用し、ソニーが好待遇で続く——この相場の形成そのものが、業界の認識の変化を物語っているのではないか。作品が観られる場所の地図が塗り替わった以上、そこに専任の司令塔を置くのは自然な流れなのだろう。ハリウッドとYouTubeの新しい関係を示す、興味深い求人票である。」