TV向けストリーミング・プラットフォームの米Rokuは4月16日、全世界における自社サービスの利用世帯数が1億世帯を突破したと発表した。約1年3カ月で1,000万世帯増やした格好だ。

同社はストリーミング利用世帯を「特定の30日間にRokuプラットフォームでストリーミングを行ったユニークユーザーのアカウント数」と定義している。FASTプラットフォーム(広告付き無料ストリーミングTV)の競合他社の中には、Samsung TV PlusやTubiなど利用者数が1億人規模に達しているところもあるが、これらは月間アクティブユーザー数(MAU)の数値であり、直接的な比較はできない(MAUは1カ月間に最低1回の視聴をカウントするため、ユーザー/視聴者とみなす基準がかなり低く設定されている)。

Rokuのサービスは、コネクテッドデバイスおよびスマートテレビ経由で利用でき、数多くのOEM(受託生産)メーカーとのライセンス契約を通じて、Rokuのインターフェースは、北米のTVの3分の1以上、米国のブロードバンド利用世帯の半数にそれぞれ搭載。その他市場でも普及が進んでいる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「米国のブロードバンド利用世帯の半数、北米のテレビの3分の1以上に搭載されているRokuの利用世帯数が1億を突破した。Rokuとは、NetflixやAmazon Prime Videoなど複数のストリーミングサービスをまとめて使える「テレビの玄関口」となるOSを提供する米国企業だ。

日本では少し古いがインテージの調査(2022年)でコネクテッドTVの割合が30%程度にとどまり、スマート化の浸透は遅れて気味だ。しかしGoogle TVを採用するソニー・シャープ、Fire TV OSを搭載するパナソニック、独自OSを持つLGとサムスン——日本でもすでに「テレビのOS覇権争い」が静かに始まっている。

米国ではニールセンの調査でストリーミングがテレビ視聴時間の47%に達し、YouTubeだけで10%超のシェアを握る中、日本でもデジタル動画広告が2026年に約1兆2,000億円(電通グループ予測)に達し、テレビ広告(約1.7兆円)への逆転は2027〜2028年頃とみられている。

YouTubeがStationsで「ザッピング文化」をプラットフォーム内に取り込む流れは、日本市場にも確実に波及する。テレビのOSを誰が握るかがエンタメ配信の覇権を左右する時代が、すでに来ている。」