パラマウント・スカイダンスは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収計画に関連し、サウジアラビア、カタール、アブダビの政府系ファンドから出資を受けることで合意したと明らかにした。
4月5日付で米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、パラマウントは今回、サウジアラビアの公共投資基金(PIF)、アラブ首長国連邦(UAE)首都アブダビの政府系ファンドであるリマド(L’Imad)ホールディングスの投資部門、カタール投資庁(QIA)の投資部門TMTホールディングスに加え、ライオンツリー・インベストメント・ファンドとの間で、エクイティ・シンジケーション契約を結んだ。出資額は明らかにされていない。なお、同契約に基づき発行される株式は「議決権のない株式」となる。
これにより、エリソン家(デビッド・エリソンCEOと父であるオラクル共同創業者のラリー・エリソン氏)とWBD買収計画を支援しているレッドバード・キャピタル・パートナーズのコスト負担が軽減されることとなる。パラマウントは、この契約が株主基盤の多様化や各エクイティ・シンジケーション当事者との間で戦略的・商業的な機会の可能性などをもたらし、長期的な株主価値の向上に寄与するとコメントしている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「パラマウントによるWBD買収の資金調達に、サウジ・UAE・カタールの政府系ファンドが加わった。単一の資本では賄えない規模のディールを多国籍の国家資本で支える新しい形だ。
「議決権のない株式」という設計は、中東資本が経営判断に介入しないことを担保しつつ財務的な支援を確保する現実的な妥協点だ。この買収が成立すれば、HBO MaxとParamount+が統合され、Netflixに正面から対抗できる映像配信プラットフォームの誕生にまた一歩近づく。
ゲーム・アニメ・スポーツ・映像が融合するコンテンツ産業全体で、IPを保有するプラットフォームの規模が競争力を左右する時代に、この統合の意味は大きい。
パラマウントが言及した「戦略的・商業的な機会」には中東市場でのコンテンツ展開という含意もある。国家資本がコンテンツIPに直接参加することで、制作・配信・マーケティングの地理的な広がりも変わる。ハリウッドの再編が、世界のコンテンツ産業の地図を塗り替えようとしている。」














