Spotifyは10月20日、米国を含む世界34市場(日本を除く)でポッドキャスター向けに有料会員制度「メンバーシップ」の提供を開始すると発表した。

対象となるクリエイターは、ボーナス音声や動画、広告の削減、番組への早期アクセスなど、リスナーに提供する特典を自由に決めることができる。ポッドキャスターは以前から広告を通じて収益化が可能だったが、新しいメンバーシップ制度はより多くのファンから支援を得る可能性を開く。

クリエイターは会員収入の90%を受け取れ、さまざまな関与度のファンにアピールできるよう、特典を複数のティアや価格プランに組み合わせて提供可能。メンバーシップ・プログラムに参加するには、ポッドキャスターは「Spotify for Creators」または「Megaphone」で番組を配信しており、過去30日間の再生時間が100時間以上、リスナーまたは視聴者が100人以上、公開済みのエピソードが3つ以上ある必要がある。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「この発表は、SpotifyとYouTubeのクリエイター争奪戦の文脈で読むと分かりやすい。ポッドキャストはいまやVodcast、つまり目を切っても楽しめる動画として日本でも普及しており、米国では広告市場だけで年間約24億ドル(約3,800億円)に育った巨大ビジネスだ。その視聴の主戦場がYouTubeに移りつつあるなか、Spotifyは動画ポッドキャストのパートナープログラムに続き、今回の「メンバーシップ」でファン直接課金という武器を加えた。クリエイターは特典を自由に設計でき、収入の90%を受け取れる。YouTubeのメンバーシップがプラットフォーム側3割の取り分であることを考えると、配分の手厚さでクリエイターを呼び込む構えだ。番組がどこで配信されるかは、リスナーがどのアプリで時間を過ごすかを左右する。クリエイターにとっては選択肢と交渉力が増す歓迎すべき展開であり、日本上陸の時期にも注目したい。」