3月20日に公開されたアマゾン(Amazon MGMスタジオ)が製作・配給を手がける『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が、同社史上最高の興行収入を記録。現時点で2026年最大のヒット作となっただけでなく、過去10年で最も成功したシリーズものや続編ではない映画の一つとなった。TechCrunchなどが報じた。

米エンターテインメント誌「ザ・ハリウッド・リポーター」によると、同作は公開から10日間で、北米で推定1億6,430万ドル(約262億1,650万円)、その他地域で1億3,620万ドルの興行収入を達成。劇場公開終了時の最終的な興行収入は大幅に増加する見込みだ。報道によると、製作費は約2億ドルに上る。

アマゾンの映画事業は当初、『ザ・ビッグ・シック』を含む小規模ながら批評家から高い評価を得た作品の配給から始まり、2022年には映画スタジオのMGMを買収。年間14本の映画を劇場公開する意向を示している。

『アフター・ザ・ハント』など、同社のこれまでの作品は観客の反応が今ひとつで、コロナ禍以降、全世界で興行収入1億ドルを突破した劇場公開作品はわずか3本だった。

榎本編集長「Amazonが映画ビジネスで、ようやく本当の意味での「ヒット」を出した。コロナ禍以降、劇場公開で1億ドルを超えた作品はわずか3本だった同社が、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』で公開10日間に3億ドル超を達成した。製作費約2億ドルに対し損益分岐点は約5億ドルとの推計もあり、最終的な黒字化はこれからだが、興行的な存在感を示したことの意味は大きい。音楽的にも見どころがある。ハリー・スタイルズの「Sign of the Times」、ビートルズの「Two of Us」が劇中に使われ、作曲家ダニエル・ペンバートンが木製打楽器・クリスタル・バシェ・人声合唱を駆使した実験的スコアを生み出した。WMGがNetflixと映像制作で組む同じ流れの中で、劇場映画へのシンクライセンスという収益源の重要性があらためて確認された。」