B-Rサーティワンアイスクリームが『あつまれ どうぶつの森』内で公開した「サーティワン島」が、企業によるゲーム活用を示す事例として注目を集めている。

7月1日から31日まで実施されるコラボキャンペーン「サーティワンで島のどうぶつたちとのんびり夏ライフ!」の一環として展開される施策で、島内にはショップエリアやアミューズメントエリアのほか、歴代ユニフォームを展示したミュージアムも設けられた。

31種類のフレーバー柄うちわを含む80種類以上のマイデザインも配布され、プレイヤーは自分の島へ持ち帰って利用できる。企業がゲーム内に自社の空間を丸ごと構築し、商品だけでなくブランドの歴史や雰囲気までを表現する取り組みとして、その完成度の高さが話題を呼んでいる。

商品訴求からブランド世界観の表現へ

『あつまれ どうぶつの森』は2020年以降、企業や自治体による情報発信の場として活用されてきた。当初はロゴ入りアイテムの配布や衣装デザインの公開が中心だったが、近年はブランドの雰囲気やコンセプトを空間全体で再現する事例が増えている。

今回のサーティワン島も商品訴求にとどまらず、歴代ユニフォームの展示によって企業の歩みを伝える空間として機能しており、来訪者のブランド理解を深める狙いがうかがえる。ベーシックな販促企画としてではなく、ブランドの世界観そのものを体験させる場として空間が設計されており、これまでの企業タイアップとの違いが見て取れる。

海外でも広がるブランド空間の構築

こうした動きは国内に限らない。海外では『Fortnite』や『Roblox』を活用し、企業が独自の空間を構築して限定アイテムの配布やイベント開催を行う事例が数多く展開されている。『あつまれ どうぶつの森』の場合、生活体験やコミュニケーションを重視したタイトルであり、広告色を抑えながら自然にブランドイメージを伝えやすい環境だといえる。

一方で、企業によるゲーム活用の拡大には慎重な見方もある。ブランド施策の増加がゲーム空間の商業化を進める可能性を指摘する声もあり、期間限定イベントが話題性を得やすい反面、継続的なユーザー接点の創出につながるかは検証が必要だ。今回のキャンペーンでは、店舗での限定商品販売やスマートフォンアプリを使ったチェックイン企画も展開されており、オンラインとオフラインを組み合わせた接点拡大の試みとしても興味深い。

メタバースという言葉の盛り上がりは一時期より落ち着いているが、ゲーム空間を通じてブランドの魅力を伝え、参加型体験を提供する手法自体は今も進化を続けている。企業側にとっても、一過性の話題づくり