Riot Gamesが手掛けるタクティカルシューター『VALORANT』。その世界大会「VALORANT Champions 2026」が、10月18日、中国・上海で閉幕した。

同大会のグランドファイナルでは、ブラジルのLOUDが欧州のTeam Vitalityを3-1で下し、2022年以来4年ぶり2度目の優勝を果たした。Championsを2度制した組織は史上初だ。Championsとして初めて中国で開かれた今大会は、出場枠が保証される現行のパートナー制(フランチャイズ制)のもとで行われる最後のChampionsでもあった。

若手主体のLOUDが2度目の頂点に

今大会には4地域から16チームが出場し、賞金総額は225万ドル。LOUDは優勝賞金100万ドルを獲得した。海外メディアによれば、選手・コーチ全員にとって初のChampions制覇だという。大会MVPには同チームのerde選手が選ばれた。

「保証された席」がなくなる2027年

VCTは2023年から、Riot Gamesが選んだパートナーチームを中心に国際リーグを構成してきた。パートナーは基本報酬などの支援を受けられる一方、それ以外のチームは年1回の昇格戦「Ascension」を勝ち抜かなければ国際リーグに上がれず、資金が続かずに解散するチームも相次いだ。

こうした課題を受けRiotは、当初2027年まで予定していた契約期間を1年前倒しで終える。2026年4月に発表された新体制では、従来のリーグ戦を廃止し、オープン予選から地域大会「Cups」、国際大会のMastersとChampionsへとつながるトーナメント方式に移行する。10月15日に公表された日程では、年間50以上の大会を世界15都市で開く。

ただし、パートナー制自体がなくなるわけではない。2年契約の新制度が始まり、各地域の枠は10から8に絞られた。パートナーは基本報酬やゲーム内アイテム「チームカプセル」の収益分配を受け、開幕戦Kickoffへの直接出場や予選でのシード権も得るが、Cups以降の勝ち上がりは結果次第となる。主要大会に勝ち進んだ非パートナーにも一定の出場報酬が支払われる。

日本勢は明暗、好成績でも選外に

Riotによる全リストの正式発表はまだないが、10月19日前後には各チームが選考結果を相次いで公表した。日本勢ではZETA DIVISIONが再選出を発表した一方、DetonatioN FocusMeは選外となり、部門は継続するとしている。また、新たにCrazy Raccoonが選ばれたとも報じられている。

Riotは選考基準として競技成績のほか、コミュニティへの貢献や事業の持続性などを挙げる。今季のMasters Santiagoを制した韓国のNongshim RedForceや、Pacific地域のStage 2を制したGlobal Esportsも選外と報じられており、成績だけでは席を得られないことが浮き彫りになった。

門戸拡大と収益保証の喪失は表裏一体

オープン化により、Pacific地域に属する日本のチームにも世界大会への道が広がる。2027年8月には東京でPacific地域のCupが開かれる予定で、国内ファンの前で戦う機会も増える。

一方、非パートナーは安定した基本報酬やチームカプセルの収益を得られない。勝ち続けなければ収入が細る構造は、選手の待遇やチーム経営に直結する。

本事例によく似た過去のケースを見ると、『Counter-Strike』では、Valveが2025年から大会主催者と特定チームの独占的な提携を禁じ、出場チームをランキングやオープン予選で決める方式に移った。『リーグ・オブ・レジェンド』の日本リーグ「LJL」も、2024年までのフランチャイズ制から2025年にオープン予選制へ移行している。また、VALORANTも競技タイトルに含むEsports World Cupの運営団体が総額2,000万ドル規模のクラブ支援を行うなど、チームの収入源はリーグの外にも広がりつつある。

若いLOUDが頂点に立ったように、新たな才能が世界を狙える環境は整いつつある。2027年のVCTでは、競技の盛り上がりとチーム経営の安定を両立できるかに注目が集まるだろう。