音声生成AIを手がけるイレブンラボ(ElevenLabs)は8月25日、AI音楽生成プラットフォーム「ElevenMusic」に、楽曲をセクションごとに編集できるツール「Composer」を追加したと発表した。

ユーザーは、自身の歌詞や楽曲、プロンプト、あるいは白紙の状態から、AIの助けを借りて楽曲を部分ごとに作り上げていくことができる。同社の広報担当者は、このツールを使えば、アーティストは文書を編集するのと同じくらい簡単に楽曲を編集できると説明した。

同社によると、このツールは「世界トップクラスのプロデューサーたち」と協力し、彼らの実際のワークフローに合わせて開発された。トラックの個々のセクションを、他の部分に干渉することなく編集・再生成することが可能。どのセクションにも独自の歌詞を追加でき、作業のどの段階でも書き直せる。セクションの複数のテイクを生成するため、ユーザーはそれらを並べて比較できる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「音声AI大手のイレブンラボが、音楽生成「ElevenMusic」にセクション単位の編集機能「Composer」を加えた。サビだけ差し替え、どの段階でも歌詞を書き直し、複数テイクを並べて選ぶ。一発生成から作り込みへ——SunoがStudioでMIDI対応を進め、グーグルが対話型の工房を掲げる潮流と、同じ方向である。ではこの後発、何が違うのか。強みは出自にある。イレブンラボは音声合成の世界的大手で、ナレーションや吹き替えの企業需要をつかみ、AIスタートアップには珍しく音声事業で既に黒字化を果たした優良企業だ。資金を燃やしながら走る競合が多いなか、稼ぐ本業を持つ余裕は開発の持久力に直結する。しかも、楽曲の印象を最後に決めるのは多くの場合ボーカルであり、人間らしい歌声の表現は同社の本領そのもの。AI作曲の競争は「どこまで思い通りに歌わせられるか」の勝負へ。声の巨人の参戦で、主戦場の解像度がまた上がった。」