2026年4月期に放送されているドラマ『銀河の一票』(フジテレビ・カンテレ系)が回を増すごとに盛り上がっている印象だ。

同ドラマは、政治の世界で生きてきた、けれど政界を追い出された主人公が選挙参謀として政治素人のスナックのママをスカウトし、都知事選に挑むという異色のバディによる、新たな選挙エンターテインメント。ORICON NEWSが調査した、今春に放送をスタートしたドラマにおける満足度調査では1位を獲得するなど注目のドラマの1つだ。

しかし、なぜ、ここまでこのドラマが人気なのか。本稿では、その理由を考察してみたい。

政治ものの作品は、どちらかというと政治家同士の抗争などが描かれているものが多く、どこかファンタジーめいた作品も多い印象。「私たちからは、遠い物語」と思ってしまう人も少なくはない。

その一方で『銀河の一票』は政治の知識ゼロなスナックのママ・あかり(野呂佳代)という存在のおかげもあって、一気に政治が「私たちの物語」として近づいてきた印象を受ける。

例えば、あかりが街で、ナイフを持った男と対峙し「都知事になるの! 話そう、聞かせて」「頑張るから」と呼びかけたシーン。

一見、この事件と政治は、なんの関係もないものと思われる。しかし、あかりはきちんと事件と政治を関連づけて「生きててよかったと思える社会を作る」と、本来あるべき”より良い社会”を作るためのに政治家になりたい、「生きづらい毎日を少しでも生きやすくしたい」と志すのであった。

このように1人、私たちと近しい立場のキャラクターがいることこそ、このドラマにぐっと入り込む人が多い理由だろう。

また、過去に社会派ドラマ『エルピス』を担当したプロデューサー・佐野亜裕美の手腕によって、政治を難しいこととしない描き方にも人気の理由を感じる。

もちろん、政界ならではのことなども描かれてはいるが”チームあかり”パートに関しては、だいたいがわたしたちの身近にあることを題材としている。

先述したシーンに心を打たれた人が多くいたのは、きっと私たちが「もっと生きてて良かったと思える社会を暮らしたい、そんな政治に関わりたい」と思っている潜在的意識を刺激したからではないかと感じた。

昔から「政治の話=タブー」とされてきた。

しかし、本来、私たちの生活に直結する政治について、私たちはもっと話さないといけない。そういう意味で、このドラマは、私たちが社会について思うことをしゃべったり、私たちが政治と関わったりすることのきっかけになっているのではないかと感じた。いよいよ物語もクライマックスに近づいている今、TVerでは各話のダイジェスト映像なども上がっているため、ぜひとも気になる人はチェックしてみてはいかがだろうか。