TikTokは、融資および決済を行うフィンテック企業として事業を展開するため、ブラジル中央銀行の認可を申請しているようだ。情報筋の話を元に、ロイター通信が3月31日伝えた。
それによると、TikTokは規制当局に2種類のライセンスを申請。1つ目は「電子マネー発行業者」としての運営許可で、ユーザーがアプリ内で残高を保持し、資金を受け取り、支払いを行うためのプリペイド口座を提供するもの。2つ目は「直接貸付業者」になるためのライセンスで、一般からの預金を受け入れることはできないが、自己資本による融資や、借り手と貸し手を結びつけるプラットフォームとしての役割を果たすことができる。
報道について、TikTokとブラジル中銀は、いずれもコメントを控えている。
米国のオンラインエンターテインメント専門メディア「Tubefilter」は、TikTokが金融サービスに進出することは理にかなっていると指摘。同アプリは既にZ世代が金融アドバイスを得るための主要な情報源の一つとなっており、ハッシュタグ「#FinTok」は15万本以上の動画で使用されている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「TikTokがブラジルでフィンテックライセンスを申請した。電子マネー発行と直接融資——この二つが揃えば、TikTok内でコンテンツを見て、買い物をして、お金を借りる「スーパーアプリ」の骨格が完成するWeChat(微信)が中国でたどった道を、TikTokがグローバルで再現しようとしている。
ブラジルを選んだのも示唆的だ。IFPI(国際レコード産業連盟)のデータでブラジルは14.1%増と高成長市場であり、若年人口が多くスマートフォン決済が急速に普及している。
TikTok Shopの統合でコンテンツと商業の境界を曖昧にし、ライブ配信ギフティングで収益化を深め、そして今度は金融インフラを取り込む——一つのアプリが「生活のOS」になろうとしている。
Z世代が「#FinTok」で金融アドバイスを得る文脈も、プラットフォームへの信頼という意味では重要だ。金融という「信用が問われる領域」への参入が、TikTokのプラットフォームとしての存在感をどう変えるかが注目される。」














