10月23日、Activisionの人気FPS(一人称視点シューティング)シリーズ最新作『Call of Duty: Modern Warfare 4』(以下、MW4)が発売された。対応機種はPS5、Xbox Series X|S、PCに加え、Nintendo Switch 2だ。任天堂のゲーム機で同シリーズの新作が出るのは、2013年のWii U版『Call of Duty: Ghosts』以来13年ぶり。初代Switchには一度も登場しておらず、Switchシリーズでは初の作品となる。

なぜ今、任天堂ハードに戻ってきたのか。背景には、Microsoftと任天堂の間で結ばれた「10年契約」がある。

発端はMicrosoftによる巨額買収

『Call of Duty』(以下、CoD)を手がけるActivision Blizzardは、2023年10月にMicrosoftの傘下に入った。687億ドル規模で発表されたこの買収は、Xboxを展開するMicrosoftが人気シリーズのCoDを囲い込むのではないかという懸念から、各国の規制当局による審査が長期化した。

その過程でMicrosoftが打ち出したのが、他社ゲーム機へのCoD供給の約束だ。2023年2月、同社のブラッド・スミス副会長兼社長は、任天堂と法的拘束力のある10年契約を結んだと発表した。CoDをXbox版と同じ日に、機能もコンテンツも同等の形で任天堂ハードへ届けるという内容である。MW4は、この約束が初めて具体的な製品になった作品だ。

契約発表から3年8カ月かかった背景

一方で、契約の発表から今回の発売までには3年8カ月を要した。最新のCoDを初代Switchで動かすのは性能面で難しいとされ、2025年6月にSwitch 2が発売された後も、同年11月発売の前作『Black Ops 7』にSwitch 2版は用意されなかった。海外メディアは当時、移植と最適化に必要な開発期間が足りなかった可能性を指摘している。

MW4では、開発元のInfinity Wardがモバイル向けゲーム開発で知られるDigital Legendsと組み、Switch 2向けに専用で開発した。クラウド配信ではなく本体上で動作し、他機種とのクロスプレイにも対応する。発売前のビルドを試遊したクリエイターからは、対戦はおおむね60fpsを保つ一方、解像度は他機種より低いという評価が出ている。なお本作はPS4とXbox Oneに対応しない、現行世代機専用のタイトルだ。

日本のSwitch 2ユーザーにとっての意味

国内のSwitch 2版は、スタンダード版が他機種と同じ9,800円。パッケージ版はゲームカードを含まず、ダウンロード番号を同梱する形式だ。年齢区分はCERO「Z」(18才以上のみ対象)となっている。

これまで国内の家庭用ゲーム機でCoDの最新作を遊ぶには、PlayStationかXboxを選ぶしかなかった。一方で国内ゲームメディアの調べでは、Switch 2は2026年4月に国内累計500万台を突破し、9月の月間販売台数はPS5の約3.6倍に達した。国内の月間販売台数で首位を走るゲーム機に加わったことで、任天堂ハードを中心に遊んできた層がミリタリーFPSに触れる入り口が広がったといえる。

ただし、本作のキャンペーンは、架空の北朝鮮の新指導者が韓国への全面侵攻に踏み切るという設定だ。英BBCは発表直後、実在する分断国家を舞台にしたことで韓国で反発を招く可能性を指摘する専門家の声を伝えた。同じ報道では、韓国軍の兵士がプレイアブルな主人公として描かれることを歓迎する韓国のファンの声も紹介されている。

契約の内容どおりなら、今後のCoD新作もSwitch 2で他機種と同日に発売されることになるだろう。とはいえ、前作で同日発売が実現しなかった経緯を踏まえれば、それが毎年続くかは見守る必要がある。それでも日本の任天堂ハードのユーザーにとって、CoDの最新作を発売日に遊べる環境が整った意味は大きい。