「テレビ界のアカデミー賞」とも称されるエミー賞を主催するテレビ芸術科学アカデミー(ATAS)は10月6日、アマゾン・ドット・コム傘下のPrime Videoと6年間の全世界独占配信契約を締結したと発表した。
エミー賞の授賞式は来年からPrime Videoで240以上の国・地域に向けて無料配信される。31年続いた「ホイール・ディール(米主要テレビ放送局による持ち回り放送契約)」が終わり、1949年の授賞式開始以来初めて、エミー賞が地上波テレビから離れることとなる。
契約額などは明らかにされていないが、米エンターテインメント業界誌バラエティーは情報筋の話として、Prime Videoは年間およそ1,500万ドル(約23億7,000万円)のライセンス料を支払うと伝えている。
従来はABC、NBC、CBS、フォックスから成るコンソーシアムが国内放映権に年約800万〜1,000万ドルを支払っていた。海外(カナダとオーストラリアを除く)では、英配給会社レインメーカー・コンテンツが番組販売を担っていた。
クリス・アブレゴATAS会長は、以前のライセンス料に比べて「間違いなく増額されている。これは意義深い投資だ」と認めている。
調査会社ニールセンによると、今年NBCで放送された第78回エミー賞の視聴者数は670万人と前年比9%減少した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「象徴的な転換である。テレビ番組を讃えるエミー賞が、77年の歴史で初めて地上波を離れる。31年続いた4大ネットワークの持ち回り放送は終わり、2027年からPrime Videoが240以上の国・地域へ無料配信する。価格も興味深い。従来の米国内放映権は年800万〜1,000万ドルだったが、Varietyは新たな世界配信権を年約1,500万ドルと報じた。直近の授賞式は約670万人で前年比約1割減。それでもAmazonが投資するのは、世界の視聴者への到達に加え、広告や関連作品への誘導まで価値を広げられるからだ。むろん国内放映権と世界配信権では条件が異なり、単純な値上がりとは言えない。国内の視聴率を主な物差しとするテレビから、世界的なリーチと周辺事業への波及で測る配信へ。エミー賞の「引っ越し」は、映像コンテンツの値札の付け方そのものが変わる過程を映している。」














