英チケット販売プラットフォーム「DICE」を傘下に持つ、大手ライブエンターテインメント・テクノロジープラットフォームのFeverは9月17日、新規株式発行による資金調達ラウンドで2億5,000万ドル(約397億1,000万円)を確保したと発表した。「ライブエンタメ・テック企業としては過去最大規模」だと表現している。
今回のラウンドは、同社への新規投資家であるスウェーデン投資会社EQTが主導。同じく新規の英ベイリー・ギフォードと、Point72プライベート・インベストメンツを含む既存投資家が参加した。
スペインで設立され、ニューヨークに本社を置くFeverの企業価値は、9月15日付の同社株式取引の価格から推計すると、およそ45億ユーロ(約8,129億円)。過去3年間で売上高を3倍以上に伸ばしつつ黒字を維持(EBITDA)しており、北米およびアジア全域での地位を強化した。
調達した資金は、事業地域の拡大(現在55カ国)と、パートナー企業向け技術への投資に充てる方針。「パートナー企業が需要を把握し、適切な観客層にリーチし、チケット販売体制を改善し、成功しているビジネスモデルを新たな市場に展開できるよう支援する」としている。
同社のパートナーは、プロモーター、会場、スポーツチーム、アトラクション、アーティスト、美術館、文化機関など。F1、FCバルセロナ、ヴェルサイユ宮殿、Netflix、ワーナー・ブラザース、プリマヴェーラ・サウンドが含まれる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「この調達の発表文には、時代を映す一節がある。「AIが世界を急速に作り替える中、対面の共有体験への需要が加速している」。Feverは、キャンドルライト・コンサートなどの体験イベントを世界55カ国で企画・販売する会社だ。企業価値は約8,100億円と推計され、今回約397億円を調達した。実はこの理屈自体は、配信の時代から進行していた。定額で聴き放題・見放題になり、作品を「届ける」費用が事実上ゼロになった結果、同じ場に集まるライブやフェスの希少価値が上がる。ライブ市場の世界的な成長は、その帰結だった。AIは、この流れをもう一段進める可能性がある。配信がゼロにしたのは届ける費用で、作品を「作る」のは人間のままだったが、AIはその作る費用までゼロに近づけていくからだ。投資家たちは、その先でも人が集まる場にお金が流れ続けると見たようだ。約400億円という金額は、体験経済の続伸に対する、現時点で最も大きな賭けの一つと言える。」














