中国最大級の動画共有サイト「bilibili」が、グローバル展開を進めている。国際プラットフォームの立ち上げや主要地域での人材採用を通じて、世界規模での競争に挑もうとしている。
8月19日には、昨年サービス終了していた国際版アプリをリニューアルして再リリース。登録手続き簡素化などを講じた。また、英語版ウェブサイトの開設計画を明らかにしており、ロサンゼルス、ロンドン、サンパウロ、イスタンブール、東京などでスタッフを増員している。
YouTubeが禁止されている中国において、bilibiliは現地の視聴者への玄関口となっており、2024年に同プラットフォームに参入したMrBeastは、瞬く間に数百万回の再生を記録した。
YouTubeやTikTokと同じ土俵で競争することは決して容易なことではないだろうが、bilibiliはリアルタイムで画面上を流れるコメント機能「弾幕」、投げ銭などの機能も備える。また、ユーザー層は、Z世代で、経済的に余裕があり、教育水準も高いことが示唆されている。一方で、TikTokが米国や欧州で直面したような規制に直面する可能性にも注目が集まる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「bilibiliの世界進出を、数字で眺めてみたい。月間利用者は約3億7,600万人。中国国内でこの規模は驚異だが、YouTubeの27億人超と比べれば約7分の1で、収益の差はさらに大きい。まともに戦えば勝ち目は薄い。だが同社の武器は、規模と別の物差しにある。1日の平均利用時間は約108分と長く、利用者の8割近くが30歳未満。動画と一体で流れる「弾幕」コメント——源流は日本のニコニコ動画——が、観ることを「みんなの体験」に変え、投げ銭文化も根づいている。つまり、広く浅いYouTubeに対し、狭く深い共同体なのだ。2024年にはMrBeastが参入して瞬く間に数百万再生を記録し、海外クリエイターへの入口としての存在感も見せた。若く、熱心で、購買力のある視聴者——広告主とクリエイターにとって、この「濃さ」は27億人の海にはない価値になりうる。挑戦の成否は、規模の追撃ではなく、濃さの輸出にかかっている。」














