ディズニー・エンターテインメントとNetflixは10月2日、広範なコンテンツライセンス契約を新たに締結したと明らかにした。ライセンスは非独占で、ディズニーは、ディズニーブランドの作品は引き続き、自社の配信サービスとTVチャンネルでの独占が中心だとしている。米エンターテインメント業界誌バラエティーなどが伝えた。
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』シーズン1〜2と『アイス・エイジ』5作品は、10月4日から3カ月間、新作に向けた宣伝としてNetflixで全世界配信される。前者は11月20日のDisney+でのシーズン3配信開始、後者は来年2月5日公開予定の映画『アイス・エイジ:ぐつぐつロストワールド』に先立つものだ。
両社の関係を巡っては、2010年代後半にはNetflixが米国でディズニー劇場公開映画のPay-1ライセンス(劇場公開・ホームエンターテインメント発売後に最初に有料配信できる独占枠)を有していたが、ディズニーは「Disney+」立ち上げに伴い、自社ライブラリ独占に向けて方針を転換した。
ディズニーのボブ・アイガー前CEOは2022年、Netflixへのコンテンツ提供を「第三世界の国に核兵器技術を売り渡し、今やその技術がわれわれに対して使われているようなものだ」と例えた。しかしディズニーは一部作品をNetflixに提供しており、アイガー氏も2023年11月には、中核ブランドを除き、提供を続ける方針を示していた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「ボブ・アイガー氏がCEOに就いた2005年からのディズニーは、買収の歴史だった。ピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、そして21世紀フォックス。物語の資産を一手に集め、2019年にはその宝庫を引っ提げてDisney+を立ち上げた。Netflixへの供給を打ち切り、自社独占に舵を切った判断は「核兵器技術を売り渡していた」という本人の後悔の弁とともに、配信戦国時代の号砲となった。だが、そのアイガー氏自身が晩年の在任中に軌道修正を始めていた。中核ブランド以外は他社にも提供する、という現実路線である。今回の契約はその進化形だ。非独占で、期間は3カ月、しかも新作公開の直前に限る。Netflixの巨大な集客力を、囲い込みの敵ではなく宣伝の装置として使う。独占か開放かの二者択一を越えて、作品ごとに窓を設計する段階へ。アイガー氏が築いたIPの帝国は、次の経営陣の下でより柔軟な流通戦略を手に入れつつある。」














