スライドを開いて、まず悩む。何から話せばいいのか。順番はこれでいいのか。やっと形になったと思ったら、修正が入って流れが崩れる。気づけば夕方。あの現象に、MIXIが名前をつけてくれました。悪いのは「作業」ではなく「構成」だ、と。

MIXI公式チャンネル「MIXI TECH&DESIGN」で公開中の「MIXI MEETUP! AI DAY 2026」(後援・経団連)のアーカイブから、社長室・星翔太さんのセッションをご紹介します。主役は、スライド作成支援AI「スラサクくん」。ゆるい名前です。ところがこのゆるい名前のAI、任されている仕事はまったくゆるくありません。

スラサクくんの自己紹介は「構成で止まらないためのAI」。構成案を出し、枚数と流れを整え、デザインを揃えるところまでが彼の仕事。何を伝えるか、どう決断するかは人間の仕事。つまり、あの夕方までの悩みをまるごと引き受けて、いちばんおいしい「考える」部分だけを人間に残してくれるわけです。

健気なのは、一度人間が決めた流れを勝手に変えないこと。修正するときも全体を整え直すだけで、構成はそのまま守る。AIなのに、人の決定を立てる奥ゆかしさがあります。仕上がりはHTML形式で、そのまま投影までできる。「とりあえずざっくり」から本番投影まで、彼は文句ひとつ言いません。

そして実例がすごい。木村弘毅社長が実際の社外講演で使った資料「自己破壊経営とMIXIの現在」が、スラサクくんとの共作なのです。社内で一番失敗できない資料で、いきなり本番デビュー。結果、作成期間は3週間から1週間へ、約66%の短縮。構成が早く決まり、修正も減ったといいます。

ちなみにMIXI全体では、AI活用で月間17,600時間を削減中とのこと(2025年8月時点)。スラサクくんは、その大所帯の一員です。

セッションの締めくくりはこの一言でした。「人が考えるべきことに、ちゃんと時間を使うためのAIです」。今夜も資料と向き合う予定の方は、まず動画をどうぞ。15分眺めたあと、自分の3週間を思って少し遠い目になります。