米エピックゲームズは、マーベルと『スター・ウォーズ』のキャラクターが登場するシューティングゲームの開発チームに、アンソロピックの「Claude」などのツールを用いた「AIファースト」の制作モデルを導入するよう指示。開発者たちは衝撃を受け、AI生成物の誤りの扱いに懸念を示した。情報筋の話として、ブルームバーグが10月12日伝えた。
人間は、生成AIが行う作業を管理・指導する。 同ゲームのディレクターの一人はスタッフに対し「手書きのコードはこれ以上使わないように」と指示。アート素材も全て「完全なAIワークフローで生成される」と伝えたという。
同タイトルは、当初来年3月のリリース予定だったが、日付未定で延期された。開発の遅れは、必要な人員や時間を過小評価していたことも一因とされており、今回のAI導入は開発のスピードアップを図ることを目的としている。
エピックゲームズはかねて、全事業部門でAIの活用を強力に推進してきたが、大手ゲーム会社がAIを主軸としてゲームタイトルの開発に取り組むのは今回が初めてとなる。
ブルームバーグの報道から数時間後、ティム・スウィーニーCEOはX(旧Twitter)への投稿で、Epicでは「大規模な方向転換」が進行中で「開発者を配置転換して、最大限のAI加速に向けて再編している」と述べた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「ゲーム開発におけるAIはこれまで、コード補完や素材の下書きといった「補助」の位置づけだった。エピックの指示は、その関係を逆転させる。コードはAIが書き、アートはAIが生成し、人間は管理と指導に回る。「手書きのコードはこれ以上使わないように」という現場への指示は、大手ゲーム会社として初めて、AIを開発の主軸に据える宣言である。きっかけが開発の遅延だった点も示唆的だ。人員と時間の見積もりを誤り、来年3月の発売予定が延期された titleを、AIの速度で立て直す。つまりこれは余裕のある実験ではなく、締め切りに追われた現場での実戦投入である。スウィーニーCEOの言う「最大限のAI加速」への再編が成功すれば、業界の開発体制の常識が塗り替わり、失敗すれば品質管理の教訓として語り継がれる。どちらに転んでも、ゲーム制作史の転換点として参照される事例になりそうだ。」














