アドビは8月、オールインワンのAIクリエイティブスタジオ「Adobe Firefly」で、ベータ版として提供してきた「商用利用可能な」音楽・音声・効果音の生成ツールの一般提供を開始した。
クリエイターからは「以前は適切な曲を探すのに何時間もかかっていたが、今では数秒で済むようになった」「Fireflyオーディオが自身のブランド契約において大きな役割を果たしている」といった声が寄せられている。
動画クリエイターは音楽のライセンスに関する問題に直面しており、ロイヤリティフリーの楽曲に頼ることが多い。アドビの生成AI&クリエイター担当プロダクトマーケティング・シニアディレクターのメグ・ドノバン氏は、米国のオンラインエンターテインメント専門メディア「Tubefilter」に対し、「クリエイターが特定のコンテンツに合わせたオリジナル音楽を必要とする際に、自由度と安心感を提供する」と説明。ワークフローを一元的に管理できる環境をクリエイターに提供することを目標とする自社にとって、Fireflyへのオーディオ生成機能の統合は重要だったと話す。
「音楽を生成」は、動画の長さや雰囲気に合わせて調整された、完全ライセンス対応済みの音楽を出力。「音声を生成」は、スクリプトを声質、テンポ、感情表現をコントロールできる、明瞭で自然なナレーションに変換する。「効果音を生成」は、コンテンツの動作、タイミング、エネルギーに合わせて効果音を生成してくれる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「SunoやUdioといったAI音楽生成サービスとの最大の違いは、「商用利用可能」という言葉の裏付けにある。Sunoは大手レーベルとの著作権係争を抱え、学習データの出自が争点になってきた。一方アドビは、画像生成の頃から「ライセンス取得済みのコンテンツと著作権切れのパブリックドメインで学習した」と明言する方針を貫いており、音楽生成もその延長線上にある。この差が効いてくるのが、企業案件だ。記事中のクリエイターが語る通り、ブランドとの契約では納品物の権利の安全性に自分の名前を懸けることになる。後から権利者の申し立てで動画が収益化停止になるリスクを考えれば、多少の表現力より「確実に安全」が選ばれる場面は多い。生成AIの競争が精度や品質の勝負から、権利の保証を含めた信頼の勝負へと広がりつつあることを、今回の一般提供は映し出している。」














