世界最大級のコンテンツ国際見本市「MIPCOMカンヌ」が、10月12〜15日に仏カンヌのパレ・デ・フェスティバルで開催される。世界110カ国超から1万人以上の業界人が集まる予定だ。

長年にわたり、テレビ、映画、広告業界において重要な役割を果たしてきた同イベントは今年、「コンバージェンス(融合)」をテーマに、デジタルクリエイターの活躍の場を拡大するとともに、縦型動画や生成AIなど、最新のトレンドに焦点を当てたプログラムを追加。新たなネットワーキングやカンファレンスの形式を導入する。

「MIPブランドワークス」では、招待制のCXO(経営幹部)サミットでメタ・プラットフォームズや電通などが講演するほか、各ブランドとそのコンテンツを紹介するプレゼンテーションが行われる。招待制の「グローバル・マイクロドラマ&バーティカル・リーダーズ・サミット」では、経営幹部を対象に非公開イベントを企画。「MIP AIエンターテインメント・フォーラム」は、生成AIのクリエイティブおよびビジネスにおける活用事例を検討する。

Netflix、BBC Studios、バニジェイ・エンターテインメント、フォックス、ライオンズゲート、YouTube、TikTok、Tubi、Samsung TV Plus、電通などの伝統的・新興企業の幹部・関係者のほか、ダール・マン、サイドメンといったクリエイターたちも一堂に会する。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「カンヌのMIPCOMは、世界のテレビ番組の売り買いが行われる最大級の国際見本市である。各国の放送局が集い、ドラマやフォーマットの権利を商談する「テレビの祭典」だ。その今年のプログラムが、時代の変わり目を映している。テーマは「融合」。縦型ドラマの経営幹部だけを集めた招待制サミット、生成AIの活用を検討するフォーラムが新設され、ブランド企業のコンテンツを披露する場も設けられた。NetflixやBBCと並んで、YouTube、TikTok、そして人気クリエイター集団サイドメンらが同じ会場に立つ。数年前なら「テレビの外側」とされた勢力が、正式な出展者・登壇者として招かれた形である。見本市は、業界の現在地を映す鏡だ。スマホ発の縦型ドラマも、クリエイターの番組も、AI製作も、もはや周縁の実験ではなく、売り買いされる正規の商品棚に載った。テレビと動画の境界が溶けた市場の姿が、カンヌの会場に先に現れている。」