増井健仁がビジネス、エンタメ、政治など様々な分野のキーパーソンを迎え、“いま起きていること”と“これからの社会”を多角的に読み解き、新しい視点とヒントを届ける「MEDIAMIXI with interfm」。2026年7月7日放送回は、アイドル評論家でMEDIAMIXI公式ライターの望月優夢氏が登場。

広告代理店でクリエイティブプランナーとして「推し活」文脈の企画を手がけたのち、2026年7月に独立。アイドル評論家として執筆・メディア出演のほか、アイドルの企画・アドバイザリーにも携わる。アイドル好きの入口は10歳の頃のAKB48。大学時代にはアイドルのコピーダンスサークルを立ち上げ、全国大会「UNIDOL」で優勝。どう人を集め、ファンになってもらうかという企画づくりに関心を持った。

約2年半前に始めたnoteでの考察に加え、Xでの発信でも反響を広げる。=LOVEのライブで起きたペンライトの色変えをめぐる考察は687万インプレッションを記録。MEDIAMIXIでは連載「望月優夢のアイビズスコープ」を執筆している。

「アナログ戦略とデジタル戦略の掛け合わせ」。ヒットの構造をそう読み解く望月氏が、CUTIE STREETの韓国展開から見えた“Kアプローチ”、SNS総再生数8億回を突破したモナキの3か月約80公演、そして「突っ込みたくなる」設計が生むコメント欄の熱までを語った放送のハイライトをお届けする。

日本のIPの海外輸出は?

アイドル評論家の望月優夢は、Xの投稿で月間インプレッション最大1,417万を記録し、noteでも「なぜ今、この現象が起きているのか」を分析している。その望月に、増井は日本のIPの海外輸出について聞いた。

増井「今回のCUTIE STREETの韓国での成功事例から見て、日本のIPの海外輸出っていうのは、考察しててヒントってありそうですかね?」

望月「まさに記事に書いてたところから考察していたんですけれども、K-POPのジャンルをがっつり入って変えていくっていうよりかは、K-POPの文化を教えるというか、日本をちょっと韓国ナイズするみたいなところのお手伝いをするみたいなところで、韓国音楽ジャンルじゃなくて方法論として輸出するっていうので、Kアプローチっていうような呼び方をHYBEの代表の方がされていて。まさにそれ、Kアプローチってところが海外輸出のヒントっていうところで、韓国圏に日本のアイドルだったりアーティストさんが出られる時は、そのKアプローチを組み込むことで、現地の方が熱狂するようなコンテンツになるっていうようなところにできるのかなっていうのを感じました」

増井「なるほどなぁ。よくね、グループを作る時にK-POPメソッドとかね、そういう言葉があって、K-POPのいわゆる作り方みたいなものを参考にしながらっていうけど、今度の広げ方のKアプローチって、日本の、もともとガラパゴスとか言われてた世界から、少しずつこの海を越えられる状態になると、そのアプローチの方法が変わるっていうのがね、もうすでにね、Weverseとアソビシステムさんでやられてるってことなんで、もうめちゃめちゃワクワクしますね」

望月「はい。この組み合わせはちょっと今後もっと増えていくのかとかも注目していきたいなと思っています」

モナキはなぜ広がった?

番組の後半では、モナキがなぜ広がったのかを紐解いていった。

増井「今話題のモナキ、俺ね、全然おっさんになるとわかんないわけ。なので、ちょっとね、このモナキの現象をね1から教えてほしいんですけど」

望月「純烈の酒井(一圭)さんが、今度はプロデューサーとしてオーディションから全部入られて、プロデュースされている男性アイドルグループですね」

増井「その男性アイドルグループモナキがTikTokとか、SNS全体で総再生数が8億回とかっていう現象を起こしてるって。これなんでこんなバズってんですか?」

望月「そうなんですよね。本当にすごいなと思ってて。その地道な、もう何て言うんですか、アナログ戦略とデジタル戦略の掛け合わせ」

増井「両方あるんだ」

望月「どっちも。完全にどっちもですね」

増井「アナログ戦略ってどんなのがあるんですか?」

望月「リリースイベントの回数が、Xを見てる中でも明らかに多いぞっていうのはまず気づいて。モナキさんのXを最初の投稿まで遡ってみたんですよ。そこから数えていったところ、3ヶ月で15都府県約80公演のリリースイベントをやられていまして」

増井「いわゆるドサ回りってやつだ」

望月「はい。地道に営業。リリースイベントの他にも、地元の音楽ショップだったりとか、地元のスーパーだったりとかっていう、いわゆるリリースイベントをやる場所じゃなさそうなところにも本当に営業として行ってっていうのをもうずっとされている中で、全部撮影可能なんですよ。なので、その撮影可能の映像が途中からもうどんどんバズってって。で、もう最後の方のリリイベ、それこそ七十何回目とかになってくると、もう入らなくて中止ですとか」

増井「え?」

望月「最初って8畳か10畳とかのスペースくらいの狭さでやってたんですよ。そこがもう本当に、屋外にまであふれて入らないのでダメですみたいな感じになって、もうバズりにバズりました」

モナキのあざとすぎるデジタル戦略

アナログの積み重ねを一気に増幅させたのが、もう一方のデジタル戦略だった。

増井「じゃあ、それはやっぱりこの地道な活動にSNSが寄与して、それで接触した人たちがちょっと見てみるかななんて思ったら、それが倍々ゲームになって、入場規制まで行っちゃう。うわぁ。じゃあそれが最終的には8億回という総再生回数につながっちゃうってことですよね。デジタル戦略ってどんな感じだったんですか?」

望月「はい。それはTikTokをうまく活用したなっていうのを感じていて。モナキさんって、特におヨネさんっていう黄色の服を着ているメンバーの方がいらっしゃるんですけれども、おかっぱの髪型だったりとかで、TikTokでアイドルの子とかをスクロールしながら見てると、いやこれなんだってまず止まったりするじゃないですか。で、実際見ていくと、元々戦隊ヒーローの方だったのが2人いらっしゃったりとか、あとは不動産で課長だった人とかいるんですよ。だからもうその突っ込めば突っ込み続けられる要素が本当にありすぎて、コメント欄がすごい伸びるんです」

増井「そうか。ただただかっこいい人たちは、キャーかっこいいで終わるんだけど、その突っ込みどころが多いから、何か出してくるとそれに対して何か言いたくなっちゃうんだ」

望月「そうなんです。しかも撮り方とかも結構絶妙で、非常階段みたいなところの階段にこうカメラを置いて、すごい撮りにくそうにしゃがみながら踊ったりしてるんですよ。だから、なんでこの画角で撮ってるの? とか。あと、その非常階段の上から撮影して、こうみんなが見上げているような投稿だったんですけど、コメント欄も面白くて、“スナイパーの画角”みたいな感じで、コメント欄も大喜利合戦に結構なってってるっていうので、もうみんながとにかく突っ込みたくもなってきちゃってるみたいなところで、もうどんどん伸びてったみたいな感じです」

増井「ってことは、そういうちょっとダサい感じも意図的にデザインされてるってことなんですね」

望月「そうです。ダサそうなんですけど、深掘るとその課長だったとか、戦隊ヒーローだった人とか、そのすごい要素が意外とあるので、そこもすごいなと思いました」